ブックタイトルDental Products News 特別号Vol.11

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概要

Dental Products News 特別号Vol.11

Fig.1 唾液のチカラ Fig.2 唾液中に含まれる抗菌、抗ウイルス成分抗菌作用唾液の役割消化作用成長因子IGF-1,EGF,NGF 粘膜保護作用唾液成分Glycoprotein gp-340分泌型IgAスタセリンデフェンシンシスタチンヒスタチンラクトフェリンリゾチームプロリンリッチプロテイン低分子ムチンSecretory Leukocyte Proteaseinhibitor (SLPI)Thrombosondin主な効果抗インフルエンザ作用 抗HIV作用抗細菌活性 抗ウイルス作用抗細菌活性抗細菌活性 抗ウイルス作用抗細菌活性、HIV感染抑制システィンプロテアーゼ阻害抗細菌活性、抗ウイルス作用細菌増殖抑制効果 HIV感染抑制 ノロウイルス細菌の溶解、抗ウイルス作用抗細菌活性および抗真菌活性、HIV感染抑制抗細菌活性、HIV感染抑制HIVのCD4やマクロファージへの感染抑制HIV感染抑制田口千恵子、有川量崇、砂川稔 他:老年歯科医学会第31回学術大会、2020口腔内の衛生状態が悪化することで口腔細菌数が増加し、ウイルスの感染力が増し、ウイルス性肺炎や人工呼吸関連肺炎を増悪させます。とりわけ高齢者や基礎疾患がある場合には、より高いリスクが高まることが多くの研究から報告されています。唾液は自然免疫機構です。スペイン風邪、SARS、新型コロナウイルスと次々に発生・拡大するウイルスに対しての予防策は、日ごろから口腔環境を良くし、唾液分泌量を増加させることが重要です。また、私は現在、大学での研究のほか、千葉県の高齢者施設や後期高齢者歯科検診などを通じて疫学調査を行う中で、健康寿命においても唾液は大きな役割を持っていると実感しています。今回は、そのような唾液のチカラを紹介させていただきます。日本大学松戸歯学部卒業、2001年米国コロンビア大学公衆衛生学部海外派遣研究員、日本口腔ケア学会(評議員、編集委員会委員)、日本口腔衛生学会(代議員、広報委員会副委員長、編集委員会委員)、女子栄養大学栄養科学研究所客員教授日本大学松戸歯学部 衛生学講座 教授  有川 量崇開業医ができる唾液からはじめる全身疾患予防~疫学データから唾液は90%が水分だが、あとの10%には「抗菌作用」「消化作用」「成長因子」「粘膜保護作用」成分が含まれており、これが唾液の大きな役割である。Fig.4 1年に1度歯科検診受診者の口腔機能評価の結果項 目「パンダのたからもの」の発声異常なしRSST 異常なし対象者主観評価 固いものが食べにくくなった むせることがある 口の渇きがある男 性98.4%88.6%27.0%20.9%27.6%女 性98.9%86.7%26.0%24.1%35.7%全 体98.7%87.6%26.5%22.6%31.9%1万人対象とした千葉県76歳の後期高齢者歯科健診では、「年に1度歯科健診を受診している人であっても、「口の渇き」を実感している人が多い。Fig.3 口腔乾燥患者は多い20~80代人口:8,500万人に対して行ったアンケートでは約半数の方が口腔乾燥を実感している。唾液中に含まれる抗菌・抗ウイルス成分があり、自然免疫は口腔にある。* Introduction *口の中が乾いたり粘つくことはない4,320 万人口の中が乾いたり粘つくことがよくある4,180 万人49.3% 50.7%Fig.5 老化の原因は活性酸素体内の活性酸素が自身の体を酸化させることを「酸化ストレス」という。活性酸素は老化・疾病に大きな影響を与える。Fig.6 唾液の分泌量と酸化ストレスとの関係ドライマウス患者唾液 健常者唾液100806040200酸化ストレス(8-0HdG濃度ng/ml)鶴見大学ドライマウス外来ドライマウス患者は酸化ストレスも高いという報告。酸化ストレスは、「加齢」「紫外線」「喫煙」「精神的なストレス」によって増加する。活性酸素による細胞障害の仕組み活性酸素LDL コレステロール動脈硬化タンパク質各種の病態DNAがん細胞膜細胞障害