ブックタイトルDental Products News 特別号Vol.10

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概要

Dental Products News 特別号Vol.10

スポーツ選手に対する歯科医療の貢献東京オリンピック開催を目前に控えて日本大学松戸歯学部口腔健康科学講座顎口腔機能治療学分野准教授鈴木浩司1997年日本大学松戸歯学部卒業後、研究科修了博士(歯学)、2012年FacultyofHealthScience,TheUniversityofSydney留学(一社)日本補綴歯科学会(代議員、指導医、専門医)/(一社)日本スポーツ歯科医学会(代議員,認定医)/日本睡眠歯科医学会(評議員、指導医、認定医)/(公財)日本オリンピック委員会強化委員(医・科学スタッフ)/(公財)日本体育協会公認スポーツデンティスト/(公財)全日本空手道連盟強化委員医科学担当●平成23年スポーいて、研究体制の整備、国、独立行政法「スポーツデンティスト」は、スポーツ医ツ基本法が改定され、「国は、医学、歯学、生理学、心理学、力学等のスポーツに関する諸科学を総合して実際的及び基礎的な研究を推進し、これらの研究の成果を活用してスポーツに関する施策の効果的な推進を図るものとする。この場合にお人、大学、スポーツ団体、民間事業者等の間の連携の強化その他の必要な施策を講ずるものとする。」となり、「歯学」の文言が加えられ、「歯科医療はスポーツ選手、愛好家に対し、何らかの貢献をすべき」と法律に明記された。学会からの推薦、都道府県の推薦、各スポーツ連盟からの推薦が必要であるが、一般開業医でも活動・貢献は大きいと考えている。その一例をご紹介したい。Fig.?スポーツ歯科医の役割Fig.?リスクを軽減するというサポートもあるスポーツ歯科医学は「歯科医学領域からスポーツを支援する科学と技術」1.スポーツによる国民の健康・安全づくりを支援する歯科医学的配慮(子供から高齢者まで)2.顎顔面口腔領域でのスポーツ外傷を予防するためのサポート(アスリートだけでなく愛好家へも)3.スポーツ競技力の維持・向上を支援するための歯科医学的配慮(東京オリンピックに向けて)オリンピック選手、アスリートだけではなく、子どもから高齢者までスポーツを楽しみ人全員に対するアプローチがスポーツ歯科医である。「歯科医療でパフォーマンスが上がるのか」はまだ検証が必要な部分だが、最大限のパフォーマンスがでるようにリスクを減らすという点においては大いに貢献している。例えばこの方は、試合直前に歯痛を発症し、思うようなパフォーマンスができなかったとのこと。また痛み止めはドーピング薬剤の含有有無が選手にとっては大きな問題となる。日頃からのリスク軽減が重要。Fig.? 3年在籍者の歯科検診の結果(歯周状態)Fig.?空手道における外傷(人)1098765432102015年2016年2017年××歯石沈着歯周病清掃不良楔状欠損不正咬合顎関節痛あるサッカークラブの歯科検診の結果。継続的に歯科検診を行うことで、歯周病・清掃不良などのリスクを軽減することができた。スポーツ選手の場合、移籍などに伴い、常に選手が変わるため継続的なサポートが重要となる。・過蓋咬合・上下顎前突・治療途中歯の放置このような場合、コンタクトスポーツでなくても、歯の破折が起こる可能性が高い!!Fig.?デンタルチェックから抽出する問題点強打により歯牙破折半埋伏智歯(親知らず)が原因の智歯周囲炎治療を中断してしまったために起こった歯の破折埋伏智歯(親知らず)が原因の下顎骨骨折骨折線マウスガードを装着していませんでした。ちなみに、あてた方も4針縫っています…下顎骨骨折の回避、治療途中による破折などが起こらないよう患者への説明が重要であり、歯科医療の重要性を理解して欲しい。コンタクトスポーツでなくても、突発的なことで歯へのダメージが起こる可能性が高いことを理解させ、矯正治療やマウスガードの装着などを推奨する。