ブックタイトルDental Products News 特別号Vol.10

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概要

Dental Products News 特別号Vol.10

閉塞性睡眠時無呼吸症に対する歯科の役割ストップザイビキ!!日本大学歯学部口腔外科学講座主任教授外木守雄東京歯科大学卒業、歯学博士、Stanford Medical center sleep surgery unitを経て、現職、日本睡眠歯科学会:理事長/認定・指導医、日本睡眠学会:理事/睡眠医療歯科専門医、日本口腔外科学会:理事(社保委員長)/専門・指導医●閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive sleepapnea : OSA)は、睡眠中に気道が舌や軟口蓋の軟組織によってふさがれることで呼吸停止が繰り返されて、安眠できないことから、日中の強い眠気や集中力の低下などの引き起こす病気です。日本人のOSA潜在患者は500万人にのぼるとの報告もあり、歯科での治療の重要性が高まっています。このOSAの代表的な治療法には外科的治療、経鼻的持続陽圧呼吸(continuous positiveairway pressure、以下CPAP)治療、および口腔内装置(oral appliance、以下OA)がありますが、OAには患者にわかりやすい利点でもある“いびき”が止まるという効果があります。これはOAの持つ優位性であると考えます。また、OSAの第一選択とされているCPAPと比較しても、携行性が良いことも大きな利点となります。OAの効果である“ストップザイビキ”について説明します。Fig.? OSA病因論Fig.?口腔内装置により下顎を前方へ1.解剖学的上気道狭小化(顎が小さい、舌房が狭い、鼻が詰まっているなど。2.呼吸調節系の不安定性(酸素が足りない、二酸化炭素が増えていることにすぐに対応できない)。3.上気道代償性低下(上気道粘膜の脆弱、緩み、代謝の低下など)。4.低い覚醒閾値(すぐに起きてしまう。熟睡できない)が考えられ、それらの4つの構成要素が多様な個体差を持ち、複雑に関連してOSAを発症していることを考慮する。歯科で対応できるのは1が中心。口腔外科による歯列の拡大や口腔内装置、MFTなどがある。PAS-UP(軟口蓋部気道)7.97⇒10.68P A S - P T(舌根部気道)9 . 4 4⇒9 . 4 9 OA治療により気道が広がったにもかかわらず、OSAが改善さM P - H(舌骨の位置)8⇒2れなかったケース。F x(顔面軸)8 5⇒9 7この原因としては、2.呼吸調節計系の不安定性、3.上気道代償性低下、4.低い覚醒閾値が考えられる。AHIは改善せず局所的には口腔・気道組織の性状(張度、硬度)や気道周囲・舌、舌骨上筋群、靱帯(張度、硬度)、口腔内の湿潤、年齢が考えられる。Fig.?下顎の前方移動と気道拡大の様子下顎を前方に移動することで現れる気道の変化。気道は左右に広がる。側貌観の前後的な気道の広がりだけでなく、正面観からの評価も必要である。下顎を単純に前に出すことでなく、”息が楽になること”を目標にしてほしい。Fig.?なぜイビキをかくのか?Fig.?どのようにイビキをかくのか?・いびきは鼻の奥(軟口蓋)と舌の奥(舌根部)で発生する。鼻の奥舌の奥そもそもイビキとは、吸気時に軟口蓋と舌根部で発生しており、イビキ音は異なる。1口をあけて口から呼吸を始める。3舌の筋肉が緩んで下にさがる。2重力で下顎が下がる。4軟口蓋も下にさがる。