ブックタイトルDental Products News ハイドロソニック特集号 Vol.5
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Dental Products News ハイドロソニック特集号 Vol.5
つまりは、天然歯、クラウン・ブリッジなどの歯冠補綴装置、インプラントのアバットメントおよび上部構造物の歯肉溝内から歯冠部歯頸部側1/3 付近までのカントゥアや立ち上がり角度などの形態のことで、エマージェンスプロファイルによってカントゥアは決定されます。万一、不適切なエマージェンスプロファイルの場合、過剰な豊隆(オーバーカントゥア)はプラークの停滞により歯周炎症を惹起し、豊隆の不足は辺緑歯肉の退縮を引き起こすため、エマージェンスプロファイルは歯肉に大きな影響を与える形態であると認識をしています。そのエマージェンスプロファイルを提唱された桑田先生に是非、その経緯なども含めて教えていただきたいと思います。桑田 私がまだアメリカにいた1970 年ころ、ホームケアによって傷ついた(マージン先端部の損傷)補綴物を目にすることがありました。補綴物の傷はホームケアの技術ではなく、補綴物の形態や支台歯形成に問題があるのだと歯科衛生士さんは指摘するわけです。この経験から、補綴物には「硬組織から軟組織に至るところの角度」が重要と知り、エマージェンスプロファイルの考えに至ったのです。土屋 歯肉に炎症があった場合、私たち歯科衛生士は「細菌感染」と考え、熱心にSRPやブラッシング指導を行うでしょう。しかし、炎症の原因はプラークだけではないことも知っておかなければなりません。例えばエマージェンスプロファイルが考慮されておらず、フィニッシュライン(マージン)が結合組織の部分に設定されていた場合にも炎症が起こるのです。私自身、そのケースでは、炎症の原因が補綴物由来であり、プラークが原因ではないと知ったときに衝撃を受けました。「歯周組織はどのような生体であるのか?」「歯周組織はどのような補綴物に支えられているのか?」「エマージェンスプロファイルとは何か?」その成り立ちを私たち歯科衛生士も理解する必要があると考えています。『歯周組織はとてもデリケートであること』を知ることによって、歯質や補綴修復物、周囲組織を守るケアが必要であり、セルフケアでは、何をどのように使うのか?もご理解いただけると思います。桑田 今から50 年ほど前、アメリカでもまだLongevity(ロンジェビティ/ 長期予後)という概念がなかった時代には、私自身も「補綴物は装着した時が歯科技工士としての仕事の評価」だと思ってきました。しかし、アメリカの歯科衛生士さんに「健康が維持されるのか?」ということをさかんに言われたのです。「補綴物が綺麗であれば健康が維持されるというわけではなく、歯肉が寄り添ってくるような補綴物の形態でなければダメなんだ」と学び、『エマージェンスプロファイル』に行き着いたのです。北原 私は、エマージェンスプロファイルを、補綴物の「飛び出し口」と考えています。CURAPROX HYDROSONIC PRO & CURAPROX歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士 座談会組織の健康を守るために。北原 信也 先生歯科医師補綴物設計によって炎症が起こることもある座談会メンバー桑田 正博 先生歯科技工士土屋 和子 先生歯科衛生士補綴物を知ることでメインテナンス・セルフケアが変わる!座談会→1