Dental Products News 特別号

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Dental Products News 特別号

口腔と全身病2―「木を見て森も見る」医療の提言―医科堀田修腎臓内科医/堀田修クリニック院長/日本腎臓学会評議員/日本病巣疾患研究会会長全身の調節系におけるロ腔の役割を解説し、全身疾患の発症につながる症例をふまえて、対症治療ではなく、根本治療につながる「木を見て森も見る」医療を提言する。国民医療費を含む社会環境を見ると、何が問題なのかは明白である。1国民医療費・対国内総生産及び対国民所得比率の年次推移兆円%4012.03510.0国30民8.0医25療費20対国民所得(NI)比率6.0154.010国民医療費5対国内総生産(GDP)比率2.00 303540455055602712170.023昭和・年度平成・年度国民医療費増加の主因:1人口高齢化2医療技術の進歩国民医療費が40兆円超となった。主因として、人口の高齢化、医療技術の進歩が考えられる。対国内総生産比率・対国民所得比率2日本人の人口1.27億人→1.25億人1.6%人口予測:現在→2020年65歳以上の割合26%→29%3%日本自動車協会の新車販売台数の予測(2014年8月3日付)20%日本経済の未来予想「東京五輪が開催される2020年度以降、成長力は低下し、20年代後半GDPは恒常的にマイナスに陥る」日本経済研究センター中期経済予測(対象期間:15~30年度)(2015年8月20日付)2020年には人口は200万人が減少。人口減少に伴い生産性なども減少していくことが予測されている。3革新的新薬が社会へもたらした影響4わが国の慢性透析患者数の推移使いやすい新薬の登場ACE-I/ARB降圧薬スタチン脂質低下薬臨床現場と薬市場への影響診断基準の変更による治療対象者の増加約5,000万人が高血圧症→降圧薬市場の拡大治療対象患者の著増→スタチンの爆発的拡散約1,000万人がスタチン服用臨床的最終アウトカム心血管障害による死亡患者数増加止まらず維持透析患者数の増加止まらず人数350,000300,000250,000200,000150,000エナラプリルRレニベース発売103,296206,134154,413257,765314,180298,252SSRI/SNRI抗うつ薬Benefitsの大きさ「うつ病」患者数の著増10年間で2.4倍製薬企業GREAT医師・病医院GOOD自殺者数減少せず一般大衆LITTLE100,00050,000066,31036,39713,059949707580859095200005102013年わが国の慢性透析療法の現況日本透析医学会革新的新薬が開発され、投薬されてきたため医療費は増加したが、実質患者はあまり減少はしていない。例えば、慢性透析患者に対して、新薬が開発され期待されたが、対症療法では患者は減少しない。5主要癌の死亡者数の推移80,00060,000胃肺40,000大腸肝臓20,000膵臓乳房前立腺019701980199020002010国立がん研究センターHP根本治療が国民に及ぼす恩恵は大きい日本を救う処方箋医療費削減につながる医療革新1予防医療2根本治療二種類の治療概念根本治療疾患の原因を取り除く(治療目標は寛解・根治)病巣感染(炎症)治療ピロリ菌除菌治療、抗HCV治療アレルギー食物、化学物質、金属などの除去パルスによる免疫系リセット●原因の同定や効果の評価がしばしば困難●疾患別より症例別●製薬企業に魅力小●臨床研究は帰納法症状をやわらげる●効果の評価が容易(治療目標は進行の遅延、症状の緩和)●新薬開発の標的対症治療降圧薬、ステロイド、免疫抑制薬、NSAID●産学連携に適する抗アレルギー薬、脂質改善薬、血糖降下薬●製薬企業の積極支援生物学的製剤、抗うつ薬など●臨床研究は演繹法一方、胃がん・肝がんでの死亡患者は減少している。この違いは、「根本治療」ができるようになったからである。医療技術が進歩し、根本治療ができれば医療費は減少できる。06