Dental Products News 特別号

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Dental Products News 特別号

人間本来の機能を取り戻す鼻呼吸~上流の歯科医療だからこそ出来ること~医科今井一彰内科医/みらいクリニック院長/日本東洋医学会認定漢方専門医/日本病巣疾患研究会副会長口腔環境の悪化により、口腔内に形成された原病巣が遠隔の諸臓器に二次疾患を起こし病巣疾患を引き起こします。鼻呼吸の重要性、口腔ケアからの疾病予防、上流の歯科医療だからこそできることについてご紹介します。早期の歯科受診がリウマチ発症を防ぐ?リウマチ内科医として診療にあたる中で、あることに気づいた。「リウマチ患者はにおう」ということである。身なりもござっぱりとしているにもかかわらず、この臭いの原因はどこから来るのだろう?それが、口腔に注目するきっかけとなった。歯周病はリウマチと「炎症が慢性化し、長引くことが共通」している。リウマチ患者は、「関節の滑膜が破壊されるために痛みを伴い、骨が変形していく病気」で、「炎症が慢性化し、長引くこと」が歯周病と酷似している。この滑膜液に歯周病細菌のDNAが検出されている。リウマトイド因子は、シトルリン化したペプチドに対する抗体(抗CCP抗体)である。抗CCP抗体検査は、変成した歯肉に対する抗体を調べるため、リウマチの早期診断に役立つ(※4)。よって、抗CCP抗体を血液検査で調べることで、変成歯肉に対する抗体が診断できるため早期の歯科受診を行うことで、リウマチの発症危険性の認識、遅延、または発症させないことが期待できる。1 2健康な人の関節関節リウマチの人の関節ペリオとリウマチは似ている!関節リウマチとは1 2 3 4骨軟骨関節包滑膜関節腔靭帯免疫細胞自己抗体(RF)が滑膜(関節包の一部)を攻撃長引く炎症により、関節の痛み、破壊、変形がすすむ弛緩した靭帯炎症性滑膜?骨と骨の間にある軟骨は、クッションの役割を果たす。滑膜は健康な関節では非常に薄い。?滑膜に炎症が起きる。軟骨や骨が少しずつ破壊される。?炎症によって厚くなった滑膜が、軟骨や骨を破壊。?軟骨が完全になくなり、骨と骨が直接ぶつかって関節を曲げるのも困難になる。ペリオとはペリオ菌などの歯肉炎から慢性炎症が引き起こされ歯槽骨の吸収、破壊から歯の喪失を引き起こす3歯周病細菌が歯肉を変化させる4早期リウマチ診断に有用(※4)歯周病細菌P.gingivalis歯肉タンパクをシトルリン化する酵素PAD(peptidyl-arginine deiminase)歯周病患者歯肉のシトルリン化が目立つリウマチ患者ペリオ菌の抗体検出率が高い滑膜液にペリオ菌のDNA検出リウマトイド因子抗CCP抗体感度特異度59%77%62%92%大村らmedical practice,2010,p 2025-28現在、リウマチ患者は70万人と推定される。抗CCP抗体検査は、リウマチの初期診断として有効とされている。「P.g菌が歯肉を変成させる→変成した歯肉(シトルリン化)に対する抗体ができる→リウマチに移行する可能性が高い(または初期)である」と診断する。まずは上流の医療=P.g菌がない(少ない)ことが重要である。鼻呼吸のための「あいうべ体操」あいうべ口を大きく「あ~い~う~べ~」と動かします●できるだけ大げさに、声は少しでOK!●1セット4秒前後のゆっくりとした動作で!●1日30回(3分間)を目標にスタート!●あごに痛みのある場合は、「い~う~」でもOK!●就寝時にも鼻呼吸を促すよう「マウスリープ」を就寝時に唇の真ん中に貼って使用する。マウスリープ04