Dental Products News 特別号

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鼻腔副鼻腔の基本構造と役割~健康づくりは鼻呼吸から~医科國弘幸伸慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授耳鼻咽喉科から見た「インプラント手術後のトラブル」症例1症例21 2右側は上顎洞内にインプラントが脱落しています。左側ではインプラントが上顎洞内に貫通しており、洞内には膿汁が充満しています。別のスライスでは、もう1本のインプラントが上顎洞内に貫通している像が写っています。どうしてこのような合併症が起こるのでしょうか?症例1症例234左上顎洞に強い炎症が生じた最も大きな原因は、鼻中隔彎曲症であると思われます。左凸の鼻中隔彎曲症によって、左上顎洞の排泄・換気が障害を受けていたことがインプラント治療後に左上顎洞内に膿汁が貯留した原因と考えられます。後方のスライスでは、両側後部篩骨洞にも炎症がみられます。歯性上顎洞炎では後部篩骨洞には炎症が波及しません。おそらく本症例では、インプラント治療時、すでに両側に副鼻腔炎があったのではないかと推測されます。数多くの症例の治療を手がければ、誰でもいろいろな合併症を経験します。しかし基本的なルールを守れば、合併症の発生頻度は減らせるはずです。そのために、まずは鼻腔の役割や構造を確認していきましょう。14