Dental Products News 特別号

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解剖学からみた医科歯科の連携歯科阿部伸一東京歯科大学解剖学講座教授/台北医学大学口腔医学院(台湾)臨床教授/延世大学歯学部(韓国)客員教授「摂食」「咀嚼」「呼吸」「発声」それぞれの機能を総合的な視点から理解し、『医科と歯科』それぞれの専門性を融合させていくことが、重要となってくると考える。そのために機能解剖という観点から検討したい。鼻腔・口腔から気管・食道までは、一つの多目的空間口腔と咽頭は、摂食・嚥下動作の舞台となるだけでなく、呼吸や発音機能も担う空間である。すなわち鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、気管、食道を別々の空間と捉えるのではなく、『協調的に複雑な機能的役割を担う一つの多目的空間』と理解することが重要である。高齢社会である現在、鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、気管、食道において加齢による機能的な衰えや疾患がみられた場合、「摂食」「咀嚼」「呼吸」「発声」の中の一つでなく、すべてに影響が及んでいく状況が報告されるようになってきた。よって、「摂食」「咀嚼」「呼吸」「発声」それぞれの機能を総合的な視点から理解し、『医科と歯科』それぞれの専門性を融合させていくことが、今後益々重要となってくると考える。1無歯顎になると姿勢が悪くなり、舌が下に落ち口呼吸になる。周囲組織の動きとバランスが崩れ、さらのに全身を影響をしていく。「正しい姿勢・正しく噛む・正しく呑む」ことが全身の姿勢に大きく影響する。2嚥下とは認知期取り込み咀嚼期嚥下口腔期嚥下咽頭期嚥下食道期咀嚼から嚥下に至る一連の動作は、クリームの絞り袋と同じ仕組み。物を噛み砕き、頬の筋肉を使って口腔内から送り出ぜんどうし、口から出た先で蠕動運動※に類似した動作によって喉で飲み込む行為。※筋肉が伝播性の収縮波を生み出す運動のこと12