ブックタイトルDental Products News 特別号Vol.9

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概要

Dental Products News 特別号Vol.9

DNA04成人におけるカリエス・歯周病に対するコントロールされた口腔衛生処置の影響1人あたり平均カリエス発生歯面数(6年間)カリエス発生歯面数メインテナンス群非メインテナンス群35歳以下0.27.436-50歳0.25.451歳以上0.24.22次カリエス発生歯面数カリエス発生歯面数メインテナンス群非メインテナンス群35歳以下0.27.536-50歳0.29.851歳以上0.37.74ミリ以上の歯周ポケットの分布(%)メンテ群ベースライン6年後35歳以下3.50.436-50歳8.30.251歳以上8.40.6非メンテ群ベースライン6年後35歳以下2.27.636-50歳6.611.751歳以上10.6181981年のアクセルソンとリンデの研究で、従来型(当時)の早期発見早期治療では病気の再発を抑制することはできず、定期的な口腔衛生指導を伴うバイオフィルムの除去でう蝕と歯周病をコントロールできることが明らかになった。この研究によって予防メインテナンスの価値が確かなものとして認識され始めたと言っても過言ではない。DNA05遺伝などさまざまな要因で歯周病発症リスクは異なる06DNA歯周炎の進行と介入付着喪失8%81%11%歯牙喪失8%81%11%Loe H et al. JCP 1986.同じような生活をしている人たちでも、歯周病の発症リスクが異なるという報告。遺伝子などの宿主要因が歯周病の感受性に大きく影響を与えることがわかった。Age年齢0 20 40 60 80(歳)0305070100付着喪失量(%)図5の研究からは判るように疾病リスクは人それぞれで、「同じ指導や治療」を全員に行うのではなく、「その方、個々のリスクに応じた」パーソナライズドメインテナンスが求められている。DNA07診療の流れ(メディカルトリートメントモデル)・受付、問診表記入・ビデオ閲覧・唾液検査、食事アンケート・歯周組織精密検査・チェアサイドで問診・歯科衛生士紹介・口腔内規格写真撮影・診療体系説明・X線写真撮影・セルフケア器具の処方問診データコレクション説明1初期治療再評価1治療再評価2説明2SOTメインテナンスSRPセルフケアの確認と口腔衛生指導唾液検査や食事アンケートなどを取り、その患者のリスクを把握する。患者の意識変革のため初期治療中には絶対に治療介入しない。治療終了後は、再評価時にリスク検査を再び行い、その変化を患者と共有する。これをメインテンス時も繰り替えし行う。私たちは日常生活の中で完璧であり続けることはできない。「ゆらぎ」の振れ幅をメインテナンスで小さくすることで無理のないメインテナンス継続を可能にし、何よりも「再評価時と変化がないこと」を高く評価するような取り組みを行う。DNA08日本の子供たちの一人当たりのむし歯の数は、中高生くらいで急に増加するDMFT(虫歯の本数)109876543210歯科疾患実態調査(平成23年)2 0歳では2倍に!!14、15歳くらいから急激に上昇20歳約6本15歳約3本7 8 9 10 11 12 13 14 15~19 20~24年齢(歳)当院では20歳以下の予防・メインテナンスに力を入れている。それは13歳くらいから急激に口腔の変化が始まるからである。2005年以降に生まれた子どもたちは107歳まで生きると言われる時代、いかに歯を喪失させないかが健康寿命とかかわってくる。「痛みがなくなった」「白い歯が入った」など劇的な変化をもたらす治療と異なり、予防は「変わらないことに価値がある」のです。「この価値」を患者さんと共有し、褒め称える文化が大切だと考えています。