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概要

Dental Products News 特別号

歯科医院から発信する地域貢献栂安秀樹先生医療法人社団秀和会つがやす歯科医院理事長/東京歯科大学・岡山大学非常勤講師肥満・高血圧・2型糖尿病患者の増加、朝食の欠食、加工食の増加、偏食やムラ食い、小・中学生の就寝前の夜食の増加など、今、食生活が乱れによる全身の健康問題が懸念される時代となった。当院は、歯科医療のさらに先をみた医療を行いたいと「い院理念とし、歯科医師・歯科衛生士だけでなく、看護師・管理栄養士・保育士を採用し「食支援」を行っている。歯科の総合医療センターとして患者の生涯に合わせた栄養管理を食支援の視点で見直すと、ステージに応じた対応の必要性が見えてくる。今回はその一部を紹介したい。つまでも美味しく食べるを生活支援する活動を行う」を医1 3歳児、12歳児の一人平均う蝕歯数の年次推移2歯周病罹患率(4mm以上の歯周ポケットを有する者)の割合●3歳児のう蝕歯数は、2.90本(H1)から0.63(H25)と年々減少している●12歳児のう蝕歯数は、4.30本(H1)から1.05(H25)と年々減少している3歳児12歳児4.302.901.050.63H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25●平成11年と平成23年の歯周病罹患率を比較すると、64歳までは減少傾向にある●一方、高齢者では増加傾向にあり、特に75歳以上では顕著である60(%)平成11年平成17年平成23年5049.5 50.5 50.849.04041.0 45.7 46.2 47.542.642.848.63036.5 30.5 35.441.636.831.226.42024.6 23.3 25.628.113.5 17.9 20.31013.5 13.936.813.60 4.515歳~19歳20歳~24歳25歳~29歳30歳~34歳35歳~39歳40歳~44歳45歳~49歳50歳~54歳55歳~59歳60歳~64歳65歳~69歳70歳~74歳75歳~79歳80歳~84歳85歳~出典:3歳児:母子保健課・歯科保健課調べ、12歳児:学校保健統計調査(文部科学省)出典:歯科疾患実態調査(昭和32年より6年ごとに実施)2017年DMFTが1%を切った。3生活モデル型の歯科医院へ4mm以上の歯周ポケットを有する歯周病罹患率は増加傾向にある。高齢期における口腔機能低下として口腔不潔や咬合力・咀嚼機能低下など口腔機能低下症によって低栄養状態が増加傾向にあることを示している。歯科診療所での対応が求められている。4当院の抜歯の数から見た定期検診のメリット治療モデル・基本習得・習熟コース(う蝕・歯周病・補綴・外科等)・知識、技能、態度・オリジナルモデル生活モデル・家族関係、年齢・生活歴、治療歴・生き様、人生観、希望歯しか見えてない歯医者・歯科衛生士にならない!・栄養、意欲、機能・安全に食べれるか?0本1~3本4~6本7本以上9.7%90.0%定期検診を続ける方0本1~3本4~6本7本以上527人(90.0%)57人(9.7%)2人(0.3%)0人(0%)32.6%患者対象:1,000人62.3%痛いときだけ受診の方0本1~3本4~6本7本以上258人(62.3%)135人(32.6%)20人(4.8%)1人(0.3%)これまでの治療モデルから生活モデル型の歯科医院になる必要がある。言い換えれば歯だけ見ている歯科医師・歯科衛生士から脱却し、食べられる支援をする歯科医院を目指したい。定期検診患者と主訴のみで治療が終了している患者を比較すると抜歯数が顕著な違いがでる。歯が喪失すれば美味しく食べることができなくなる。定期検診が重要であることが判る。5入院・在宅患者への対応は段階によって様々ある6準備期・口腔期の安定地域社会入院・入所・在宅栄養管理呼吸リハ終末期訪問歯科に幅がある生活・人生維持期食べる機能リハ急性期回復期アプローチ・考え方形態の回復健康通院おいしく食べる支援社会的感性健康な人・通院できる患者への対応から、入院・在宅患者への対応が求められている。しかしその中でも、「形態の回復」(例えば義歯調整)、「食べる機能リハビリ」(例えば義歯製作やMFT)、「栄養管理・呼吸リハビリテーション」(食事の取り方や調理方法)と段階によって、求められることが違うことを理解する。義歯を装着することで咀嚼ができるようになる。しかし、何年も義歯装着がされていない患者の場合、いきなり上下顎を作るのではなく上顎のみを作って慣れながら、様子を見るという患者にあった作り方がある。