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概要

DPN CAMBRA特集号Vol.1

■ 当院の成果こうした臨床ベースのデータについては、当院においてもCAMBRARを採用して以降どのようにリスクが変化したかについて、PBRN方式に倣い集計を行っております。現状ではリスクレベルが経時的に変化した症例自体がほとんどないため、上記の論文のようなリスクレベルの有意差は確認されていませんが、視覚化できる変化として疾患指標とリスク因子の数の経時的減少(図12・13)、それに防御因子の経時的増加(図14)といった傾向は認められています。ここから、適切な介入を行えば、リスク因子と防御因子は短期間で改善し、それを維持できるということが示唆されます。より長期の経過ならばハイリスクからの改善なども見込めるため、今後まとまった形でご報告できるよう、さらなる追跡調査を進めていく予定です。CAMBRARを実践する医院におかれましては、このような来院患者の統計分析によって、予防歯科実践の自己評価を行ってみてはいかがでしょうか。●参考文献1)Featherstone JD,et al:Caries Risk Assessment in Practice for Age 6 through Adult,CDA Journal 2007,Vol.35,No.10,703-7132)Rechmann P, Chaffee BW, Rechmann BM, Featherstone JD : Caries Management by Risk Assessment: Results from a Practice-Based Research Network Study , CDA Journal. 2019, Vol.47, No.1, 15?24.合計介入群対照群ベースライン時のう蝕リスクが高い来院n高リスクのままn高リスクのままn高リスクのままベース242 137 1056カ月137 92人80 49人(61.3%) 57 43人(75.4%)12カ月116 60人69 30人(43.5%) 47 30人(63.8%)18カ月95 32人54 13人(24.1%) 41 19人(46.3%)24カ月83 32人44 11人(25.0%) 39 21人(53.8%)ベースライン時のう蝕リスクが低い来院n ミドルまたはハイリスクに変化n ミドルまたはハイリスクに変化n ミドルまたはハイリスクに変化ベース192 93 996カ月136 12人64 5人(7.8%) 72 7人(9.7%)12カ月126 14人56 3人(5.4%) 70 11人(15.7%)18カ月112 11人53 2人(3.8%) 59 9人(15.3%)24カ月85 15人36 4人(11.1%) 49 11人(22.5%)図9 う蝕ハイリスク患者の経時的う蝕発症率図8 参加した患者460人のグループ分類 表1 460人の結果図10 う蝕ハイリスク患者の経時的リスクレベル変化図11 う蝕ローリスク患者の経時的リスクレベル変化平均を示す山の頂点は、若干ではあるが改善方向に推移している図12 麻生歯科データ・疾患指標の正規分布推移図13 麻生歯科データ・リスク因子の正規分布推移図14 麻生歯科データ・防御因子の正規分布推移リスク因子の数は介入することで大きく減少し、その後維持される防御因子の数は介入することで大きく増加し、その後維持される7