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概要

DPN CAMBRA特集号Vol.1

■ CAMBRAR のEBMCAMBRARプロトコルに沿って介入を行った場合、どの程度う蝕抑制が可能なのかについて、臨床ベースで検証を行った最新の報告2)があります。この論文はCAMBRAR-PBRN(Practice Based Research Network)と呼ばれており、従来の研究機関中心に集められた患者データ(図6)ではなく、一般診療を行う複数のクリニックが参加して一定の基準に沿った患者データの収集を行い、それを統計学的に分析したものです(図7)。ベースラインの時点で適格とされた患者460人にリスク評価を行い、リスクごとに介入群と対照群に分けられました(図8)。その結果が表1になります。それによると、1 2 か月後と1 8 か月後のリコール時点で、CAMBRARプロトコル適用グループは対照グループよりも新たな疾患指標(脱灰やう蝕の既往)が少なかったという結果が出ています(図9)。また、CAMBRARプロトコルに従った介入をした場合、ハイリスク患者がより低いリスクレベルへと改善する割合や、ローリスク患者が悪化することなくローリスクにとどまる割合が、対照グループより有意に高いという結果になりました(図10・11)。図4 リスク決定の簡易チャート(成人)開業医のクリニックに来院する患者をランダムに介入群と対照群に振り分け、そのデータを集めて分析図5 リスク別推奨処置図6 従来のCAMBRAR図7 CAMBRAR-PBRNJenson L,et al:Clinical Protocols for Caries Management by Risk Assessment,CDA Journal 2007,Vol.35,No.10,714-723 を日本向けに改訂患者大学病院UCSF大学病院の来院患者のみを対象にデータ収集・統計分析を実施細菌培養検査唾液分泌量が極端に少ない?リスク因子≧防御因子リスク因子∧防御因子エクストリームリスクハイリスクミドルリスクローリスク(評価者の判断に応じて)YesNo疾病指標に1つでもチェックがある?抗菌剤なしなし0.05%クロルヘキシジン 10ml1日2回1分間(就寝前)洗口を毎月1週間0.05%クロルヘキシジン 10ml1日2回1分間(就寝前)洗口を毎月1週間細菌検査(CRT/う蝕スクリーニング)新患のベースライン基準として行ってもよい(オプション)新患のベースライン基準として行うまたは高いう蝕活動性が疑われる場合に行う初回および再評価毎に細菌検査+唾液量検査初回および再評価毎に細菌検査+唾液量検査フッ化物市販フッ化物配合歯磨剤(900-950ppmF) 1日2回市販フッ化物配合歯磨剤(900-950ppmF) 1日2回+市販フッ化物洗口液(225ppmF) 1日1回3~4か月毎にフッ化物歯面塗布+市販フッ化物配合歯磨剤(900-950ppmF) 1日2回+市販フッ化物洗口液(225ppmF) 1日2回3か月毎にフッ化物歯面塗布+市販フッ化物配合歯磨剤(900-950ppmF) 1日2回+市販フッ化物洗口液(225ppmF) 口渇時・飲食後エックス線写真撮影間隔咬翼法24~36か月毎咬翼法18~24か月毎定期的な口腔内診査間隔6~12か月毎のう蝕リスク再評価3~4か月毎のう蝕リスク再評価3か月毎のう蝕リスク再評価4~6か月毎のう蝕リスク再評価キシリトール/pH中和剤なしキシリトールガムまたはミンツ2粒を1日4回キシリトールガムまたはミンツ2粒を1日4回シーラントなし深い小窩裂溝にシーラント深い小窩裂溝にシーラント深い小窩裂溝にシーラントローリスクミドルリスクハイリスクエクストリームリスクキシリトールガムまたはミンツ2粒を1日4回+重曹洗口(15g/250ml)またはpH中和剤1日4~6回咬翼法6~18か月毎またはう蝕病変なくなるまで咬翼法6か月毎またはう蝕病変なくなるまで6