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概要

DPN CAMBRA特集号Vol.1

03CAMBRA CAMBRAR Rの最新事情と導入後2年の成果麻生歯科クリニック/静岡県静岡市開業 麻生 幸男キャンブラCAMBRAR(リスク評価に基づくう蝕管理)が日本で初めて大きく紹介されたのは2015年12月のFeatherstone教授の来日講演であったと記憶しておりますが、その翌年以降、歯科雑誌などでも何度かCAMBRARの特集が組まれるなど、予防歯科の実践的手段として知られるようになりました。当院でもCAMBRARを積極的に取り入れ、科学的根拠に基づくう蝕抑制に取り組んできました。今回はその数年間に渡るデータを元に、CAMBRARのもたらした成果を振り返りつつ改めて評価をしてみます。■ CAMBRAR とはその前に、CAMBRARについて簡単に復習しておきましょう1)。その基本的な考え方はう蝕バランスモデルです(図1 )。カリエスリスク評価フォーム(図2)を使って、う蝕を引き起こす要因であるリスク因子と、再石灰化を促進する要因である防御因子、それぞれ該当するものにチェックを入れ、患者の口腔内においてどちらが優位であるかを調べる(図3)ことで、今後の新たなう蝕の発生確率=う蝕リスクをロー・ミドル・ハイ・エクストリームの4段階で決定します(図4)。そして、それぞれのリスクに基づき、う蝕発症を抑制するための化学療法(主にフッ化物製品の処方)を行います(図5)。図1 CAMBRARう蝕バランスモデル図2 カリエスリスク評価フォーム図3 う蝕リスク評価の方法う 蝕う蝕なしWREC疾患指標Disease IndicatorsW ホワイトスポットWhite SpotsR 3 年以内の修復Restorations < 3 YearsE エナメル質病変Enamel LesionsC 象牙質う蝕Cavities/DentinBADリスク因子Risk FactorsB 悪玉細菌Bad BacteriaA 唾液が少ないAbsence of SalivaD 悪い食事習慣(回数/間食)Dietary Habits (Poor)SAFE防御因子Protective FactorsS 唾液、シーラントSaliva & SealantsA 抗菌剤の利用AntibacterrialsF フッ化物の利用FluorideE 効果的な栄養Effective DietFeatherstone. Community Dent Oral Epidem, 1999う 蝕う蝕なしWREC2疾患指標Disease IndicatorsW ホワイトスポットWhite SpotsR 3 年以内の修復Restorations < 3 YearsE エナメル質病変Enamel LesionsC 象牙質う蝕Cavities/DentinBAD3リスク因子Risk FactorsB 悪玉細菌Bad BacteriaA 唾液が少ないAbsence of SalivaD 悪い食事習慣(回数/間食)Dietary Habits (Poor)SAFE1防御因子Protective FactorsS 唾液、シーラントSaliva & SealantsA 抗菌剤の利用AntibacterrialsF フッ化物の利用FluorideE 効果的な栄養Effective Dietう蝕のバランス・インバランスモデルキャンブラ5