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概要

DPN CAMBRA特集号Vol.1

CRA フォーム構成因子とバランスモデルの活用CRAフォームは、図1の①~⑥で構成されています。まず、カリエスリスクを、①疾病指標、②リスク因子、ならびに ③防御因子に分けて検討します(図1)。例えば、①の疾病指標は、診査等によってう蝕が判明した時に、□に「?」を入れます。また、リスク因子は「う蝕発症に強く関わる因子」で、防御因子は、主に「う蝕の進行・発症を抑制するホームケア」で構成されています。そして、「?」の数を、図1④に記入します。④は「カリエスバランスモデル」を示しています。CAMBRARのリスク評価は、よく使われているレーダーチャートを採用せず、新しく開発された「バランスモデル」を使用し、トータルな評価を行うのが特徴です。図2に示すように、このモデルは、シーソーの原理です。つまり、疾病指標とリスク因子が多ければ、う蝕を発症・進行させ、反対に、防御因子が多ければう蝕の抑制・予防が出来ることを示しています。従って、う蝕予防は、「治療」だけでなく、「生活習慣の改善」と「ホームケアの実践」も重要です。このように、バランスモデルは、複雑で難解なう蝕リスクを、飛躍的に理解しやすくしたと考えられます。簡易チャートを用いたクラス分けとリスク別推奨処置CAMBRARは、患者をう蝕のリスクの高い方から、「エクストリーム」「ハイ」「ミドル」ならびに「ロー」に分類します。すなわち、図3の簡易チャートで、CRAフォームから得た情報を使い、患者を4つのクラスに分類しその結果をCRAフォームに記入します(図1⑤)。この分類は、う蝕の発症・再発と密接に関連しています。例えば、ローリスク者のう蝕発症率は約20%ですが、ハイリスク者の発症率は70%以上です。その上でCAMBRARは図4に示すようにクラス分けした患者に、リスクに応じた予防方法を積極的に示しています。またこのリスク別推奨処置には、う蝕の予防効果の高いフッ化物の応用方法が含まれ、さらに実際にリスク別推奨処置のホームケア等を実践しているハイリスクの者は、う蝕病原性細菌数が減少し、有意にう蝕発症を抑えていることが報告されています。図3 「リスク決定の簡易チャート」によるクラス分類 チャートを使用して、疾病指標を優先してリスク決定を行う。(評価者の判断に応じて)唾液分泌量が極端に少ない?YESNOリスク因子 ≧ 防御因子リスク因子 < 防御因子エクストリームリスクハイリスクローリスクミドルリスク疾病指標に1つでもチェックがある?培養検査(カリスクリーン)図2 CAMBRARの基本原理;う蝕のバランス・インバランスモデル(カリエスバランスモデル)CAMBRARでは「バランスモデル」を開発・採用し、トータルなリスク評価を行うことを可能にした( 図は、治療、生活習慣改善、ならびにプロフェッショナル・ホームケア等によって大きくバランスを改善することができることを示す)。高いリスクの状態(初診時・CAMBRAR前)リスクが低くなった状態(CAMBRAR実施後)防御因子フッ化物の応用等プロフェッショナルケア+ホームケア疾患指標リスク因子治 療生活習慣改善疾患指標リスク因子防御因子治 療生活習慣改善フッ化物の応用等プロフェッショナルケア+ホームケア3