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概要

DPN CAMBRA特集号Vol.1

300万ほどの医業収入の向上を見込むことが可能となります。ただし、利益率は高いものの金額そのものは大きいとは言えないので、やはりある程度のユニット台数及びそれを稼働できる人数が必要となります。予防歯科を導入することは、スタッフの定着ややりがいにもプラス面で大きく影響します。歯科衛生士の定着率が悪いクリニックは、その理由として「歯のお掃除・クリーニング」としての役割がメインで、担当もバラバラ、自分の処置の予後が追えないなどの環境にあるのかもしれません。スタッフの定着には自己実現・社会的貢献が必要となります。自分がどうなりたいか、そしてそれが患者さんにとって、また社会にとってどれだけ貢献しているかということを認識する必要があります。人には認められたい・自分を重要な存在だと認識してほしいという承認欲求があります。自分の担当として患者さんの口腔内を改善する処置をして、患者さんとの信頼関係のもとそれが実現して、患者さんから感謝される。「あなたに診てもらって良かった」「○○さんのおかげで良くなった」という患者さんからの言葉を直接受けることが歯科衛生士としての承認欲求を満たすことになります。積極的に予防歯科を導入し、継続的に同じ患者さんと携わり、歯周病のプロとして処置を行い、認められ、感謝されていれば、仕事へのやりがいを感じ、結果として定着率の向上につながります。このように一見見落とされがちな部分にも予防歯科の導入は良い影響を与えています。では最後に患者さんからの視点で考えてみましょう。歯科医院に通うことが苦痛だった治療期間を経て、2度と同じ思いをしたくないと考えるのは当然です。同じ担当の歯科衛生士さんに自分の生活習慣やリズム、クセなど理解してもらった上で守られているという安心感は、美容院で自分の担当のスタイリストさんだと安心する心理と似ていると言えます。技術は当然のこととして人間としてのつながりが発生するからです。「あの人に診てもらいたい」「あの人だと安心する」という患者さんの心理は、当然他の歯科医院への移行を防ぐ十分な理由になるでしょう。まとめ以上のことから、予防歯科の導入は①医院の収益 ②スタッフの定着とやりがい③患者さんの心理や信頼のすべてにおいてプラスに働くということが結論づけられます。今後ますます予防歯科のニーズが増えていきます。患者さんが正しい知識を身につけ、歯科医院へのかかわり方が従来と変わってくるからです。是非先生のクリニックでも予防歯科の仕組みを取り入れてはいかがでしょうか?まずは第一歩を踏み出してみることをお勧め致します。スムーズな医院の立ち上がりの実現もサポートしている。2. スタッフの定着とやりがい3. 患者さんの心理や信頼歯科衛生士の仕事の魅力(複数回答)出典:平成27年歯科衛生士の勤務実態調査報告書_公益社団法人 日本社団法人衛生歯士会. 2017,全体N=76820.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%66.9%62.6%51.2%47.9%41.1%32.6%24.5%15.6%1.5%1.2%国家資格であり一生続けられる専門性の高い仕事である人や社会に貢献できる人に直接関われる・手助けできる人の命や健康を守る仕事である転職・就職に困らない女性として働きやすい収入が安定している特にないその他13