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概要

DPN CAMBRA特集号Vol.1

最先端治療の根幹となるCAMBRARシステム東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 う蝕制御学分野教授 田上 順次先生/助教 保坂 啓一先生/特任助教 畑山 貴志先生         2018年、本学歯学部附属病院むし歯外来(う蝕制御学分野)は、C A M B R A Rを当病院向けにアレンジし、矯正歯科外来とともに「矯正歯科治療中のう蝕予防プログラム」の提供を始めました。矯正歯科治療中に高まるカリエスリスクに対応し、治療後の口腔健康増進にもつながるものと期待されています。また、当病院は、先端歯科診療センターにおいて、高度で専門的な歯科治療の効率的な提供を目指しインターディシプリナリーアプローチを行っていますが、その根幹を支えるのがカリエスリスク評価と管理です。CAMBRARを大いに活用し、さまざまな分野の専門医の先生たちと連携しながら、多くの患者さんの長期にわたる口腔の機能と健康の維持を実現したいと考えています。個別的だったEBMを体系化したCAMBRARは画期的システム日本歯科大学 附属病院総合診療科2 准教授 小川 智久先生これまで「ブラッシングの効果」「フッ素の取り込み」「キシリトールの摂取方法」「唾液の役割」など、予防を行うための方法論はいくつか立証されてきました。また、う蝕のリスクに関しても「細菌・歯質・糖・時間」などそのメカニズムも判明しています。しかし今日の日本において、若年層のう蝕は減少しているものの、世代全体ではう蝕は減少していないのが実情です。この原因は、う蝕とは一つの要因・一つの対処法ではなく、さまざまな因子によって複雑なメカニズムをもっている疾病であると言えます。CAMBRAR は、それぞれ個別で考えられた「原因」や「対処法」を体系だってまとめ、さらに患者さんレベルに落とし込んだ画期的なシステムです。CAMBRAR とは特別な機械やテクニックが必要なものではありません。リスク管理・予防の概念や考え方を取り入れることで、客観的でわかりやすくリスク評価を行うことができます。またその概念は歯周病にも応用でき、多くの医院・多くの患者さんに受け入れていただけるものと考えています。大学病院・講座で 10