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概要

DPN CAMBRA特集号Vol.1

「予測歯科」医療を広めたい大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教室 教授 天野 敦雄先生/准教授 久保庭 雅恵先生高血圧は病名ではありません。自身が血圧の傾向を「未病のうちに知ること」で心筋梗塞や脳血管障害を発症させないよう生活習慣の改善を促すきっかけとなるものなのです。歯科でも同様に「未病のうちにリスクを把握し、発症を予防する予測歯科医療」が必要であると考えています。そのベースとなるのがう蝕リスク診断、CAMBRARです。CAMBRARはCRAフォームによる問診とアデノシン三リン酸数値の把握によって客観的なリスク診断を行え、「リスクレベルによって処置が明確化されている」シンプルなシステムです。そのためスタッフの知識やキャリアにかかわらず、日本全国どこの医院でも「リスクレベルに応じた一律な対応ができる」ため、予測歯科医療の底上げができると考えています。患者さんが自身のう蝕リスクを知ることで、患者さん自らが自身の健康を意識し、「自身の健康管理の主治医」となれるのです。また、大学では予測歯科医療を実践してもらえるよう将来の歯科医師に対してCAMBRARを教育の一部取り入れています。昭和大学歯学部 歯科矯正学講座講師 芳賀 秀郷先生「見た目の美しさに加え、人生を豊かにする健康な口腔内を」を診療の理念とし、当科では、矯正装置装着前に『カリスクリーン』によるATP(アデノシン三リン酸)の測定を含むカリエスリスク検査を実施し、個々の「疾患指標」「リスク因子」「防御因子」をデータ化しています。その上で矯正歯科診断と合わせてリスク評価およびう蝕のバランス/インバランスモデルを作成します。患者・歯科衛生士・歯科医師が1つのチームとなり一人ひとりのライフスタイルに合った予防プログラムを視覚的・簡潔的に提案できるのがCAMBRARの利点です。矯正歯科治療中のう蝕リスクは非常に高まるため、プラークの除去率が高い歯ブラシや清掃器具を用いながら、フッ化物、キシリトールガム、洗口液などを活用し、主に動的治療中の口腔内を管理していきます。2018年のCAMBRAR導入時にプレスリリースを行い「矯正歯科治療中のう蝕予防プログラム」としてのCAMBRARシステムを確立してきました。当科においてCAMBRARは矯正歯科治療の一環として認識しています。広がるCAMBRAR「矯正歯科治療中のう蝕予防プログラム」としてのCAMBRAR9