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概要

Dental Products News240

超高齢社会に伴い、骨欠損も大きく顎位も安定しないような複雑なケースが増えてきています。そのようなケースでは、サイナスリフト・GBRなどの高度な外科処置が必要であるとともに、ロングタームのインプラントプロビジョナルレストレーションを用い、長期にわたる咬合・歯冠形態・粘膜面の清掃性(ハイジーンコントロール)の情報を利用する補綴設計がカギになります。プロビジョナルレストレーションからフィードバックした形態や顎位を、ファイナルレストレーションへ移行する際、従来のアナログ手法ではなく、デジタルの手法を用いてデザインし、モノブロックでも優れた審美性と安定した物性を持つジビーノを用いて製作する方法に利点があります。今回、ジルコニアの、特にフラクチャートラブルを回避するために、技工的内容を踏まえ、新たなカラーリングシステム、補綴デザインとしてチタンベースを使用したZiのハイブリッドデザインに、サブストラクチャーを介在させた補綴設計としたケースを紹介させていただきます。図10ミリング後図11-1形態調整ミリング直後のジルコニアは、このようにスプルー跡や加工機による削り残しが、どのミリングマシンでも出てきてしまうため、歯科技工士がディスクやバーなどで形態調整を行う。マイクロクラックが入らないよう慎重にカービングを行う。図11-2モディフィケーション図12シンタリング後図13ステイニングプレシンターでのカービング後。歯冠形態の細かな表情、連結部の切れ込みもこの時点で再現する。歯冠のみカラーリング。カットバックを全く行なっていないので、強度的にも理想的なデザインになっている。次世代のセラミックステインを歯肉部にステイニング。審美、強度共に理想的なデザインとなる。図14-1焼成後図14-2焼成後図15上部構造非常に薄い層、かつリアリティーなジンジバルカラー色をステイニングで再現できている。ジルコニアフレームワークは、カットバックを行っていないため、強度を損なわずに歯肉の色調再現が可能になった。完成させた状態。基底面はメインテナンスを考慮し、エターナルグロウを使用。ハイシャインポリッシュ仕上げにし、歯間ブラシが通りやすくメインテナンスの行いやすい形状にしている。図16エターナルグロウ図17-1参考症例透過性図17-2最終補綴物艶だし研磨剤。ダイヤモンド粒子が細かく研磨効率が良いので、短時間で様々な補綴物の仕上げに使用できる。ジビーノを活用することで、ノンカットバックデザインと思えない透過性と十分な審美性・補綴強度が得られる。シンプルなデザイン設計により「審美性(エスタティック)」を兼ね備え、「長期にわたり(ロンジェビティ)」口腔内で「機能する(プログレタビリティ)」補綴物を提供できた。Dental Products News 240 19