ブックタイトルDental Products News240

概要

Dental Products News240

を含んだシーラーとして、僅かに膨張することから緊密な充填を得られる特徴を有しており、側方、垂直ともに加圧根充法にて用いるのに適している。さて、ニッケルチタンロータリーファイルを使用することにより、根管の本来の形態を大きく損なうことなく根管形成が可能になると、湾曲の強い根管では従来の圧力を加えて充填する方法では、全ての根管を緊密に充填することが困難なケースもあり、充填は根尖側において圧力が十分に及ばないエリアが生じる妥協的なものとならざるを得ないことがある。根管内をMTA系セメントにて封鎖する根管充填は海外の歯内療法専門医の間では珍しい手技ではなかったが、セメントの性状ゆえ細い根管内を緊密にセメントで満たすことは容易ではなく、根未完成歯や、すでに大きく形成されている根管などに限られていた。MTAが従来のシーラーのように伸びが良く、根尖付近の細かい部位に到達できれば、コアマテリアルをキャリアーとして用いることで根管内を緊密に封鎖できるであろう、という考えが現時点で最も新しい根管充填のコンセプトとなりつつある。寸法変化をほとんど起こさないバイオセラミックスが高い封鎖能を有しているのであるから、従来のように極力薄くして用いる必要はなくなる。つまり圧力をかけて充填する必要がなくなるのである。これは、根管形成と根管充填の方法が大きく変わるパラダイムシフトであり、今回新しく発売されるバイオシーシーラー（図４、５）はレジン成分を含まずバイオセラミックスを主成分としたシーラーとして、新しい概念での根管充填が可能になると期待されている。図6術前デンタルX線写真図7-1R Eファイル歯髄壊死と診断された上顎右側第一大臼歯の術前デンタルＸ線写真。特殊加工による優れた柔軟性でプレカーブを付与でき、湾曲根管への追従性も高い。図7-2根管形成図8根管内乾燥REファイルCTにて根管形成中の患歯。根管洗浄後、根管内バキュームにて根管内の水分を取り除く。図9根管充填1バイオシーシーラー付属の専用チップを用いて根管内にバイオシーシーラーを挿入。Dental Products News 240 9