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概要

Dental Products News240

水酸化カルシウム系歯科根管充填材料バイオシーシーラー根管治療の変遷に伴い登場した新しいシーラーバイオシーシーラー(Bio-C Sealer)田中浩祐石井宏石井歯科医院/東京都中央区開業DPN238号“REファイルを使った根管形成”にて、根管治療における細菌減少のためのステップで、REファイルを使用した根管形成が果たす役割について解説させていただいた。感染した根管内から細菌を減少させることは治療を成功させるための必須条件であるが、細菌数が減少した根管を長期間にわたり維持することは、安定した口腔環境のために同じく必要なことである。したがって根管充填材料には以下のような要件が高いレベルで求められる。根管充填材に求められる要件高い封鎖性(充填材と象牙質との隙間が限りなく小さいこと)寸法変化を生じないこと(経時的に収縮すると漏洩のリスクが高まる)高い生体親和性(根尖周囲組織における治癒を妨げない)従来から行われていた側方加圧根充は、ステンレススチールファイルを使って形成された根管を緊密に充填するためには合理的な方法である。根管スペースの大半を占めるコアマテリアルと、コアマテリアルと根管壁の隙間を埋めるために使用されていたのがシーラーであり、コアマテリアルにはガッターパーチャが多く用いられ、シーラーも多くのメーカーから様々な材料を主体にしたものが開発された。しかしながらシーラーとガッターパーチャ、シーラーと象牙質間を同時に緊密に封鎖し、かつ寸法変化を生じないシーラーは存在していなかった。したがって、シーラーは必要であるものの常にその層は薄くすることが寸法変化を少なくする意味で望ましいとされてきた。より3次元的に緊密に充填可能な垂直加圧根充が導入されても、コアマテリアルとシーラー層の関係は大きく変わることはなかった。一方、直接覆髄処置、パーフォレーションリペア、逆根管充填などの高い封鎖性が求められる材料において、MTAの登場は非常に画期的なことであった。高い封鎖性と同時に生体親和性、また口腔内特有の湿潤環境においても硬化するMTAは特に歯内療法において従来の封鎖材にとって代わるようになった。初代MTAであるProRoot MTA以降、多くのMTA系セメントが市場に出たが、Angelus社のMTAアンジェラス(図1)はケイ酸カルシウムを主成分とし(図2)、その中でも比較的歴史が長いことから多くの臨床研究を有している。6年前に発売されたシーラーMTAフィラペックス(図3)は、レジン系のシーラーでありながらMTA図1MTAアンジェラス図3MTAフィラペックス図2MTAアンジェラスの成分ケイ酸カルシウムアルミン酸三カルシウム酸化カルシウムタングステン酸カルシウム図4バイオシーシーラー図5バイオシーシーラーの特徴細かい粒状性により、伸びと操作性が良好高アルカリによる抗菌性歯質の変色を起こしにくいカルシウムイオンの継続的な放出による治癒促進8Dental Products News 240