ブックタイトルDental Products News239
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Dental Products News239
近年、様々な歯科用CBCTが登場している。技術の進歩もあり、以前に比べるとCTを用いた診断能は格段に上がっている。当院では、歯科用CTとして2004年よりCB MercuRay・ファインキューブ・OP300Maxioを導入している。その中で顎関節形態の確認、根管治療、埋伏歯、インプラント、気道測定など様々なことを臨床に活かすことができ、得られる情報が非常に多かった。そして、今回トロフィーパンスープリーム3D(以下スープリーム)を導入した。スープリームの特徴は様々あるが、基本的なものとして下記の5つが挙げられる。1患者ごとの位置づけの再現、使用しやすいインターフェース(図1)。2面積線量の軽減・120kVの高電圧での撮影・様々な撮影範囲(φ5cm×5cm~φ16cm×17cm)。3高精細なボリュームレンダリング画像。4気道測定(指定した領域の計測が可能。最小断面積・前後径・左右径を自動計測)5フェイススキャン(顔貌の立体画像とCT画像をマッチング)。以下にスープリームを使用した症例を提示する。「歯並びを治したい」とのことで、来院した23歳女性である。下顎後退を伴う上顎前突症例で、上下顎のアーチの変形を認める(図2・3)。CT画像・治療経過は以下に示す(図4~10)。このように、スープリームでフルサイズのCT撮影をすると、顎関節の状態・気道断面積・鼻腔粘膜の状態など様々な情報が一回で得られる。本症例のように下顎後退を伴っている患者は、気道の狭窄を起こしOSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)になっていることが多い。低線量で広範囲の撮影が可能であり、顎関節症の診断からOSASのリスク管理までできる本機のメリットは非常に大きい。図5初診時気道計測就寝時のいびきを訴えており、CT上の計測では体積:8.3cm 3最小断面積:64.4mm 2と気道の狭窄を認めた。また、鼻中隔湾曲や粘膜肥厚を認め、慢性鼻炎との事である。当院の統計では、気道断面積とAHI(無呼吸低呼吸指数)は相関を認め、120~130mm 2以下であるといびきやOSASの症状を訴える割合が高くなる。図6フェイススキャンとCT画像のマッチング上下顎前歯と上下口唇の位置関係・硬組織と軟組織のバランス・気道との関係性など、顎口腔がなぜ今の病態に至ったのかを患者に説明する際に大変有効であると感じている。24Dental Products News 239