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概要

Dental Products News239

(図6)。室温や材料の管理方法にもよるが、室温が23度、材料を16度で管理した場合は口腔内に圧接して1分45秒後にシリコンジグを圧接したままマージン部に溢れ出してきたルクサクラウンを除去する(図7)。完全硬化する前の2分20秒経過後(夏場などは1分40秒後)に一度撤去して外れることを確認して、硬化時の収縮応力を解除するために何度か出し入れを行う(図8)。エアバリアー材を塗布し、重合阻害要因である酸素をブロックした後に光重合する(図9・10)。ルクサクラウンの内面の修正にはアルコール溶剤に溶けた色素を内面に塗布して削合調整していく(図11)。歯肉縁下部分は歯肉が張り出してしまいアンダーになっているので、ルクサフロースターを築盛してサブジンジバルカントゥアの形態を修正する(図12)(支台歯形成を修正した場合やカントゥアの修正そして咬合の追補修正時には、随時ボンディング処理を施した後にルクサフロースターを築盛して修正していく)。ルクサクラウンを用いたプロビジョナルは、緊密で滑沢な研磨面を得ることが可能であり、縁下の歯肉にも悪影響を及ぼすことがほとんど無いので、印象時や補綴物セット時の歯肉が綺麗である。そのため以降の操作や予後に対しての不安がなくなるため重宝して使用している(図13・14)。健康な歯肉を維持できることにより、印象もシャープに採取することが可能となる(図15)。完成補綴物のマージンも安定している(図16)。また、必要であれば前歯部においてカラーリングを施してより審美的に行うことも可能である(図17・18)。そして、ルクサクラウンが開発されたドイツにおいてはパーマネント補綴としても使用されており、実験ではあるが咀嚼シミュレーションによると一般的なテンポラリークラウンと比較して、長期間に渡り口腔内で100%のサバイバルレートが示されている。このようなことから、レジン系セメントにて接着してプチ自費として使用することも可能である(図19)。次号は臼歯部について紹介する。図13研磨終了後図14健康な歯肉の回復より健康的な歯肉の回復を期待できる。研摩終了後は滑沢な面を得ることができる。図15プロビジョナル修正図16完成後2ndプロビ3rdプロビ完成後。歯肉は安定している。モックアップ用WAX upしっかりと歯肉をコントロールできるので、歯肉縁下もシャープに印象採得することが可能となる。(技工担当:IEDITION井上陽介氏)図17カラーリング前図18カラーリング後図19サバイバルレートSurvival in Chewing SimulationWater storage for 24h at 37°C before starting the simulationThermal alternating load 5°C/55°C with distilled water every 60suntil all specimens fail by breaking or being completely worn*If it is assumed that 1.2 Mill. cycles is equivalent to 5 years clinical performance in the oral cavity (Krejci I, Lutz F. In-vitro test resultsof the evaluation of dental restoration systems. Correlation with in-vivo results. Schweiz Monatsschr Zahnmed.1990;100(12):1445-9.)ルクサクラウンカラーリング前。ルクサクラウンカラーリング後。ルクサクラウンのサバイバルレート。22Dental Products News 239