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概要

Dental Products News239

Ni-TiロータリーファイルREファイルCTREファイルCTを用いた臨床下山智義しもやま歯科医院歯内療法専門クリニック/東京都豊島区開業約30年前に歯内療法におけるニッケルチタン(以下Ni-Ti)ファイルが報告されてから現在までに、様々なNi-Tiロータリーシステムが開発されてきた。Ni-Ti合金の大きな特徴として超弾性効果と形状記憶効果という特性を併せ持つことがある(図1)。そもそもNi-Ti合金は高温相(オーステナイト相)、低温相(マルテンサイト相)という温度変化によって結晶構造が変化する特性を持つ。最近のNi-Tiロータリーファイルは製造過程で熱処理を施すことによって、臨床時の体温下でどのような特性を引き出すか、各社工夫を凝らしている。筆者にとってNi-Tiロータリーファイルは根管治療を行う上で必須となっている。Ni-Tiロータリーファイルを用いて根管形成をするメリットとして下記が挙げられる。1形成にかかる時間を短縮できる2手用ファイルでの形成よりも疲れにくい3ファイルの形状にあった滑らかな形成が可能である4彎曲根管でも比較的マネージメントしやすい反対に従来のNi-Tiロータリーファイルは下記のようなデメリットが挙げられる。?いつ破折するのかわかりにくいⅱフックなどの強い彎曲に用いるには限界があるⅲファイルの費用が高い図1 Ni-Ti合金の特性図2 REファイルCTオーステナイト相Ni-Tiマルテンサイト相Ni-Ti除荷除荷高温相(オーステナイト相)、低温相(マルテンサイト相)という温度変化によって結晶構造が変化する特性を持つ。4%・6%の固定テーパーがある。超弾性効果(Spring-back effect)形状記憶効果(Controlled memory effect)図3REファイルCTの形状記憶効果(牛窪敏博先生のご好意による)図4周期疲労破折とねじれ疲労破折周期疲労破折(繰り返しの使用によって破折する)。ねじれ疲労破折(ファイル先端付近が拘束されて破折する)。上段:使用後(ファイル形状が変形している)。下段:滅菌後(変形した形状が回復している)。図5 REファイルCTによる追従性図6レントゲン機器REファイルは強いフックやダブルカーブのある根管にも追従できる。デンタル専用のIPスキャナー「ビスタスキャンミニビュー」(左)とIP専用の撮影モードを搭載したウォールマウント型デンタルレントゲン「ビスタイントラ」(右)を使用。直感的にIPのレントゲン画像をデジタル処理することができる。感染防止のため、手で触れるところにはフィルムを貼っている。18Dental Products News 239