ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Dental Products News239

Pg菌、最恐の理由Pg菌が最恐である理由を5つ挙げる1)。どれも重要だが、強いて1番はどれかと言うと、Pg菌はmicrobial shift(第1回連載参照)を引き起こすことである。Pg菌は日和見菌を手なずけ(その方法は複雑なので割愛)、Pg菌の言うがままに働かせバイオフィルム病原性を高めるのである。参考文献1より引用Pg菌の天敵:クルクミンクルクミンとは、ウコンまたはターメリックとして知られるショウガ科の植物に含まれるポリフェノール成ウコンのポリフェノール成分分である。クルクミンはカレーライスやたくあんの色づけ、ウコン茶、織物の染色などに使われている非常に馴染み深い成分でありながら、抗炎症作用、抗酸化作用、抗腫瘍作用、抗菌作用などの多彩な生理活性がある(二日抗炎症作用抗菌作用酔い予防だけではない)。それに加えて、食品であるから安全性に問題がない。注)クルクミンはそのままでは水に溶けない(難溶性)。クルクミンが上記の効果を発揮するには水に溶かす工夫が必要である(可溶化)。抗酸化作用抗腫瘍作用Pg菌の増殖量(菌量を吸光度で測定)使用菌株Porphyromonas gingivalis ATCC3327721.81.61.41.21添加したクルクミン濃度0μg/ml5μg/ml0.810μg/ml0.615μg/ml0.420μg/ml0.2001224364860培養時間参考文献1より引用クルクミンのPg菌への抗菌効果ここからは我々の研究データ2)を紹介する。酸素の無い状態でPg菌を培養するとすくすくと増殖する(酸素があると増殖できない)。しかし、クルクミンを培養液に溶かすと、クルクミンの濃度に比例してPg菌の増殖が阻害される。クルクミンが10μg/ml以上の濃度になると、Pg菌は増殖ができなくなる。クルクミンはむし歯菌(ミュータンス連鎖球菌)に対して抗菌作用をもつことが知られているが、むし歯菌だけではなくPg菌にも効果を発揮するのである。Dental Products News 239 15