ブックタイトルDental Products News239
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Dental Products News239
【連載】ビジュアル歯肉縁下バイオフィルムの世界バイオフィルムは君主社会第2回天野敦雄大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教授Prologue歯肉縁下バイオフィルムの支配者は、最強にして最恐の歯周病菌Pg菌。多彩な攻撃手段を駆使して、Pg菌が目指すは、血だらけでグラグラの歯周組織。しかし、そんなPg菌にも天敵がいた。ウコンの成分、クルクミンだ。クルクミンに触れたPg菌はたちまちに増殖を止められ、バイオフィルムの形成や歯周細胞への攻撃も阻害されてしまう。ウコンは2日酔い予防に効くだけではないのだ。【バイオフィルムの身分制度】支配階級地主階級レッドコンプレックス歯肉縁下バイオフィルムの身分制度まずは第1回連載の復習から。歯肉縁下バイオフィルムの世界には身分がある。歯周病原性が高い菌種はピラミッドの上層に位置し、歯周病原性が低い菌種はピラミッドの最下層に甘んじている。ピラミッドの頂点に君臨するのがレッドコンプレックスと呼ばれる3菌種、Porphyromonas gingivalis (略名P. gingivalis、通称Pg菌)、Tannerella forsythia (略名T. forsythia、通称Tf菌)、Treponemadenticola (略名T. denticola、通称Td菌)の悪玉トリオである。平民最下層民天野敦雄:天野ドクターの歯周病絵本バイオフィルム公国物語.クインテッセンス出版, 2019より転載最強の歯周病菌、Pg菌悪玉菌の量はレッドコンプレックスと地主階級の菌種を加えても、バイオフィルム全細菌量の10%に過ぎない1)。数の上では悪玉菌が絶対的に不利である。しかし、Pg菌はレッドコンプレックスの中でも最強の歯周病菌であり、名実ともにバイオフィルム界の君主である。そんなPg菌を日和見菌はボスと呼び、喜んでボスに付き従うのである。参考文献1より引用14Dental Products News 239