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概要

Dental Products News238

図1  4 術前デンタル画像図5 止血確認図8 裏層・仮封 図9  4 術後(6ヶ月) 図10  7 術前デンタル画像図6 MTAアンジェラスHP 図7 MTAアンジェラスHP充填図2 う蝕除去図3 露髄図4 止血MTAセメント MT A アンジェラスHPMTA アンジェラスHPを覆髄処置に使用した症例報告大森 さゆり 歯内療法専門医 代官山デンタルサロン・エンドオフィス/東京都渋谷区開業MTAは歯内療法において封鎖性の高さ、良好な生体親和性といった特徴からとても広く使用されている。第一世代のMTAは硬化時間が長いというデメリットから、覆髄処置において硬化後のリエントリーが必要であった。現在市場に出ている第二世代のMTAは、第一世代の欠点であった長い硬化時間を短縮し、歯質の変色を伴わないように改良されたことでより臨床応用しやすくなった。MTAアンジェラスHPは初期硬化時間が15分と非常に短く、X線造影剤としてタングステン酸カルシウムを配合しているため歯質の変色も生じない。また、操作性も良く覆髄処置に非常に適した材料であることから、筆者も実際に多くの覆髄処置に使用している。患者が生活歯髄保存療法を希望し、かかりつけ医より当医院へ紹介。診査を行い生活歯髄保存療法の適応であると判断し覆髄処置を行った(図1)。う蝕検知液を使用し回転切削器具、歯髄に近い部分は手用のエキスカベーターを使用しう蝕を除去した(図2)。全てのう蝕を除去したところ遠心部で露髄を認めた(図3)。炎症が存在すると思われる歯髄組織を滅菌されたラウンド状のダイヤモンドバーにて高速回転、注水下で約2mm程度除去し0.5% NaOCl溶液にて洗浄、滅菌綿球にて圧迫止血を行った(図4)。歯髄組織から出血がないことを確認し(図5)、MTAアンジェラスHP(図6)をガラス練板で混和後、MTAブロックに入れてコンデンサーの先端で充填した(図7)。MTAアンジェラスHPの初期硬化を確認し、直上にグラスアイオノマーセメントで裏層を行い、経過観察を行った(図8)。かかりつけ医にてCRによる修復が行われ、半年後の経過は歯髄の健康な反応が認めら 4の部分断髄症例 4 遠心にう蝕様透過像。約5分以内で止血。粉と液を混和し、MTAブロックを使用し充填。CRによる最終修復。  7 近遠心にう蝕様透過像。遠心隣接部のう蝕をエキスカベーターで除去。 露髄部より出血が認められた。 滅菌綿球にて止血。MTAを緊密に充填。15分後にMTAアンジェラスHPの硬化を確認し、グラスアイオノマーセメントにて裏層し、仮封を行った。2 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 2 3 8