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概要

Dental Products News238

図12図15図10図13図16図11図14図17 図18なってくる。プロビジョナルレストレーションの調整には、基底面のリライン、増歯、清掃性・発音改善のための形態修正などがある。一連の流れは図2~5に示す。今回は、リラインについて記述する。リラインは通常、抜糸後約3週間後に行う。基底面のリラインとは、抜糸後治癒過程において凹凸した粘膜形態を、平坦に単純化し可及的にメインテナンスを行いやすい形態に調整していくことである(図6・7)。リラインにより粘膜形態調整を完了させ、その後基底面を清掃しやすい形態に調整していく(図8・9)。また、リラインの目的は他に、息もれの改善、舌感の向上、上部構造の強度確保などもある。炭酸ガスレーザーは、特性上このような粘膜調整時に適しているレーザーだと思われる。理由は、蒸散による粘膜の減量や疼痛緩和効果が得られることにより、リラインによる粘膜圧迫時の疼痛が軽減されるからである。また、照射の設定を変えることにより、ほとんどの症例を無麻酔下で行える。さらに、円形スキャニングハンドピースを用いることで広範囲な術野を蒸散することができ有用である(図10・11)。抜糸後の粘膜肥厚部などはデフォルトの蒸散モード(蒸散2)をやや高出力に調整し使用している(図12~14)。局所的に多めの粘膜を減量する場合には、通常浸麻下において切開・凝固モードを用いるが、蒸散による疼痛緩和後は無麻酔下でも可能な場合が多い。図15・16のような症例などは、デフォルトの蒸散モードで照射後、凝固モードを低出力に調整して無麻酔下で行っている。All-on-4R治療において、これらのような処置を行うことにより、メインテナンスが容易な粘膜形態および上部構造基底面形態を提供することができる(図18)。炭酸ガスレーザーの併用抜糸後。咬合面観。左側の粘膜が肥厚。粘膜の凸部を蒸散。リラインを行う部位を蒸散。左側のみ高出力で蒸散。(無麻酔下)蒸散後に凝固モードを低出力で照射。円形スキャニングハンドピース。直径1.5mmの円運動が自動で行え、ムラなく均一に蒸散が可能。1か月後。良好な治癒経過。アバットメントのショルダーまで清掃可能な粘膜形態。易清掃性のメインテナンスに適した上部構造基底面形態。D e n t a l P r o d u c t s N e w s 238 25