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概要

Dental Products News238

表1 細菌減少を図るための根管治療のステップ図1 抜去歯における湾曲根管の拡大形成図2 プレカーブを付与した40/04ファイル 図3 上顎第二大臼歯における根管形成RE ファイルVTCX C1 C2 A1 A2 A3 A4 A5先端径 0.19 0.19 0.20 0.20 0.25 0.30 0.40 0.50(mm)ロータリー式NiTiファイル「REファイル」REファイルを使った根管形成田中 浩祐 石井 宏 石井歯科医院/東京都中央区開業根管形成は、根管治療において根管内の細菌を減少させるために行う最初のステップであり、また細菌数の減少量も他のステップ(根管内洗浄、根管内貼薬)に比べて大きいため、根管治療における重要度は高い(表1)。根管形成ファイルはこのステップにおけるいわば主人公であり、歴史的にステンレススチールが用いられてきたが、現在ではニッケルチタンファイルがその役割を多く担うようになっている。ニッケルチタンファイルの形状や金属の性質などは多くのメーカーにより改良が加えられ、バリエーションが豊富なため、どのファイルを選んだらいいのか迷われる先生も多いのではないだろうか?迷った時に改めて考えるべくはいかに細菌を除去できるかであり、根管形成における現時点でのゴールは、“過剰な歯質の削除を抑えつつ感染源を除去し、根尖まで洗浄液が十分に行き渡るようなサイズまで根管を拡大すること”である。詳細はここでは割愛するが、一般的には40号くらいまで拡大することが望ましいとされている。これを達成するために選ぶファイルとして、REファイルのメリットは以下の3つである。 ① しなやかな弾性と口腔内でのハンドリングのしやすさニッケルチタンファイルはしなやかな弾性力を有することが特徴である(図1)が、特殊加工のされた本ファイルは形状記憶能を有するため、口腔外でプレカーブを付与し(図2)根管内へ挿入することが可能である。特に大臼歯部の治療で開口量の確保が困難な患者において、プレカーブを付与したままファイルを根管内に無理なく挿入できることは非常に大きな強みである(図3)。根管治療における細菌減少(Bacterial Reduction)のためのステップ根管形成(ファイルによる機械的拡大)根管内洗浄(洗浄液による化学的洗浄)根管内貼薬(水酸化カルシウムなどの薬剤) 04テーパーの40号のファイルにもプレカーブを付与できる。先端からシャフトにかけてテーパーが異なる形状(バリアブルテーパー)。根管壁に接触する部分が限られ、ファイルの応力を軽減している。プレカーブなしのファイルでは、根管口にファイルが挿入できない。このまま挿入するためには歯質の削除が余儀なくされる(左)。一方プレカーブが付与できると、根管内へのファイル挿入が容易になる(右)。使用ファイル:REファイルCT#40/04拡大号数が大きくなっても湾曲根管に追随可能なREファイル。写真は左からステンレススチールファイルにて作業長の確認を行い、#15から#40まで拡大を行った際のデンタルX線写真。ステンレススチールファイル#15 #202 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 2 3 8