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概要

Dental Products News237

図10 CT上でのインプラント埋入シミュレーション図12-2 PLY変換画像図15 装着後14ヶ月経過の頬側面観図11 作製されたサージカルガイド 図12-1 実際の取得画像図14 完成修復物と装着後デンタルレントゲン画像図13 ジルコニアカスタムアバットメントの作製インプラント埋入窩には撮影用スキャンボディが挿入されている。図8時点より14ヶ月経過。良好に推移している。て送信する。完成製作物のみ配送(図3)されるため、ペーパーレスかつモデルレスであり、環境にも優しい。さて、光学印象で一番気になるのは精度である(図4)。近年の研究で1歯単位では従来の印象精度と同等と結論づけられており、臨床現場で頻出する少数歯修復ならば十分実用に耐える。しかし「光学」とつくだけに、アンダーカットの存在や歯肉出血は大敵であり、支台歯形成や炎症のコントロールは従来よりもシビアである(図5-1)。フィニッシュラインの位置も「光学」の特性上、歯肉縁上か同位置が望ましい。縁下でも0.5mm程度以内なら圧排糸を使用することで適用範囲内とされているため、当院では圧排後に取得したデータ(図5-2)から作成したコーピング(図5-3)を改めてシリコン印象材にて取り込み(図6)、修復物のフィニッシュラインを修正し(図7)、さらに精度を上げている(図8・9)。またシミュレーションソフト上で計画されたインプラント修復(図10)は、デジタル同士なので光学印象と親和性が高い。従来のクローズドトレー法では印象用コーピングのズレなど技術的なエラーを生じることがあったが、スキャンボディを用いる光学印象では誤差が少なく(図12-1・2)、精度の高い上部構造体になる(図13)。最近多用されるプラットフォームスイッチングでも、精度は変わらない(図14)。最終的には取込印象も行うが操作自体が減少するため患者負担も減る。アナログとの融合により従来同様の精度で修復物作製が可能になり、経過も良好である(図15)。もはやデジタル化はとどまることを知らない。低負荷で高品質な医療は、患者はもとより医院にもラボにも福音であり、大きな可能性を秘めていると感じる。取得画像を技工用にカラーデータを残したままにできるデータフォーマットへ変換する。CTにて予想上部構造物を組み込んだ埋入のシミュレーションから、サージカルガイド作製の準備を行う。CTによるシミュレーションを基に作製。大臼歯の残根があったため実際のインプラント体は計画よりもやや遠心に振られて埋入されている。レントゲン上でも修復物界面の連続性が確認できる。インプラント体に締結されるチタンコーピング部分に追加作製したジルコニアカスタムアバットメントを接着させて仕上げる。D e n t a l P r o d u c t s N e w s 237 9