ブックタイトルDental Products News236
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Dental Products News236
従い#60まで根管拡大し、歯根が露出するように包埋カセットに埋入し即時重合レジンで固定した(図3)。ビーム拡がり角25.4°のファイバーチップ(カーブ・300μm)(図4)を使用し、2つの照射条件(1蒸散モード2:1.0W、CW、CON、2蒸散モード3:5.0W、CW、25REP、休止100)、4つの根管内条件(乾燥、6%NaClO、17%EDTA、生理食塩水を満たした環境)を設定、根管内に半導体レーザーを照射し、照射範囲外におけるレーザー先端位置に相当する歯根表面温度を測定した。測定には温度測定用センサ(図5)を用い根中央表面部(歯質厚さ2.66±0.60mm(図6)、根尖表面部(歯質厚さ1.61±0.16mm)(図7)の2部位について10秒間(1秒間隔)行った。なお、研究実施にあたり朝日大学歯学部倫理委員会の承認を受けた(承認番号30003)。結果および考察各種条件での歯根表面温度の結果を表1-4に示す。Boulnosis1)らは歯根表面温度が43~45℃で個々の細胞に形態変化や壊死などの傷害、60℃で不可逆性の損傷を与えると報告しているが、今回用いた半導体レーザーオペレーザーフィリオによるレーザー照射に伴う歯根表面温度は、生体温度の36~37℃付近を超えることなく、歯周組織に対する傷害を与えることが少ないと考える。まとめ本研究では比較的歯質に厚みのある被験歯を用いたこともあり照射範囲外における歯根表面に到達する温度上昇は歯周組織に対し重大なダメージを与えるほどの影響は少ないと考える。しかしチップ先端部に血液などが付着することによりレーザーの屈折散乱が繰り返され、急激な温度上昇が生じることもあり、使用に関しては指示書を十分に熟知し取扱には注意が必要である。<参考文献>1)Boulnois J-L:Photophysical processes in recentmedical Iaser developments:a review;LasersMed Sci 1, 47-66, 1986.表1根中央部蒸散2表1表2根尖部蒸散2表2上下縮尺適宜根中央部蒸散2根尖部蒸散240℃40℃35℃35℃30℃30℃25℃乾燥25℃乾燥20℃15℃10℃生理食塩水6%NaClO17%EDTA20℃15℃10℃生理食塩水6%NaClO17%EDTA5℃5℃0℃1秒2秒3秒4秒5秒6秒7秒8秒9秒10秒0℃1秒2秒3秒4秒5秒6秒7秒8秒9秒10秒17%EDTAが最も高い温度で推移し、低いのは生理食塩水であった。乾燥が最も高い温度で推移し、低いのは6%NaClOであった。表3根中央部蒸散3表3上下縮尺適宜表4根尖部蒸散3表4上下縮尺適宜根中央部蒸散3根尖部蒸散340℃40℃35℃35℃30℃30℃25℃20℃15℃10℃乾燥生理食塩水6%NaClO17%EDTA25℃20℃15℃10℃乾燥生理食塩水6%NaClO17%EDTA5℃5℃0℃1秒2秒3秒4秒5秒6秒7秒8秒9秒10秒0℃1秒2秒3秒4秒5秒6秒7秒8秒9秒10秒乾燥が最も高い温度で推移し、低いのは生理食塩水であった。6秒までは乾燥が高い温度で推移し、以降17%EDTAが高い温度で生理食塩水と乾燥はほぼ同じ推移を示した。Dental Products News 236 1