ブックタイトルDental Products News235
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Dental Products News235
込み形状により挿入が容易で操作性に優れており、塩化アルミニウム含有のため別途止血剤を準備する必要もない。また、マイクロスコープ下での形成でも毛羽立ちはほとんど気にならず、マイクロファイバーによる吸水と膨張の効果により、圧排糸を除去した際のフィニッシュラインと歯肉との間に十分なスペースが確保されている。それにより、以前より格段に印象の精度が上がったことを実感できる。特に、歯周外科処置を行なったタイトな歯肉溝でも、十分に印象材の流入するスペースが確保され容易に印象採得が可能である。今回、歯周外科処置を行なった臼歯部症例と厳密な形成深度の決定が必要な上顎前歯部の2症例を通じて、シュアーコードプラスの有効性について紹介したい。症例提示に先んじて、歯周組織に調和した補綴装置を作製するために、私が重視しているポイントを以下に示す。1フィニッシュラインの明瞭化支台歯形成時には、歯肉内縁上皮を損傷しない環境下で形成し、生物学的幅径を考慮した歯肉溝内約0.5mmから1.0mmの深度でスムーズなフィニッシュラインを設定する。2フィニッシュラインと歯肉縁下の根面形態の鮮明な印象採得印象時には、フィニッシュラインと歯肉との間にスペースを確保し、鮮明なフィニッシュラインとともに歯肉縁下の根面形態の印象採得を行う。これらのポイントを守ることで、適切な歯肉縁下形態と適合の良い補綴物マージンを付与することができる。図12最終補綴装置装着後図13マージンの適合状態確認図14術後レントゲン写真最終補綴装置装着1ヶ月後の状態。歯周組織には発赤や腫脹等の炎症は認めず、歯周組織に調和した補綴装置作製が行えた。マージン部には段差がなく、過不足のない適合の良い補綴装置の作製が行えた。レントゲン写真からも良好な適合と適切な歯肉縁下形態が確認できる。■症例2/前歯部不良補綴装置への対応症例図15術前口腔内写真図16補綴装置除去後図17シュアーコードプラスにて歯肉圧排後の状態1色調の不調和とマージンの不適合、また、オーバーなクラウンカントゥアなど不良な補綴形態が観察される。図18最終形成終了後不良補綴装置を除去し、シュアーコードプラス挿入前の状態。図19シュアーコードプラスを挿入することで、歯肉縁が根尖側に移動し歯肉が排除された。プロビジョナルレストレーションによる歯肉の順応の確認歯肉内縁上皮を損傷しないように歯肉溝内約0.5mmから1.0mmを目標に慎重に形成を行う。図20シリコン印象材による印象採得図21最終形成後、圧排糸を除去し印象と同様にフィニッシュラインと歯肉とのスペースに即時重合レジンを流し、プロビジョナルレストレーションのマージン部を整える。良好な適合と適切なカントゥア付与により、歯肉辺縁が順応するのを約2週間程度待つ。補綴装置作製模型図22最終補綴装置装着後順応を待った後、辺縁歯肉に炎症のないことを確認。再度、歯肉圧排を行い、シリコン印象材にて採得された印象。フィニッシュラインとともに縁下の根面形態が鮮明に印象されている。模型からも鮮明なフィニッシュラインが確認できる。最終補綴装置装着3ヶ月後の状態。歯周組織には発赤や腫脹等の炎症反応は認めず、歯周組織に調和した形態および色調の再現が行えた。Dental Products News 235 21