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概要

Dental Products News235

のが現状である。上記の問題点について、新しい対応法として歯面コーティング材を供覧させて頂く。前歯部審美障害を主訴に来院された20代女性(図3)。上顎前歯部に広範囲の白濁及び脱灰部分を認め一部コンポジットレジン修復も着色が認められる(図4)。患者さんの希望としては、コンポジットレジン部の再修復であるが、白濁部分に対しての将来的な齲蝕のリスクも危惧されていた。当院での治療計画として1.変色したコンポジットレジン部のみ再充填を行う2.白濁及び脱灰部分を削合し、コンポジットレジンにて充填を行う3.白濁及び脱灰部分に歯面コーティングを行い、その後再充填を行うなどを提示した。患者さんは白濁を大きく削合することに抵抗があり、3番目の治療計画を選択された。ICONの手順とポイントまず歯肉に対して科学的火傷の防止と防湿を兼ねてラバーダムを装着し(図5)、15%塩酸エッチング剤を2分間塗布し完全に細菌による感染が除去され歯面が白くなることを確認する(図6)。もし、感染の除去が不十分で歯面が白くならなければ、再度エッチングを行う。本ケースでは、一度のエッチングにて歯面が白くなったのを確認したため(図7)、次のステップであるアイコンドライを歯面に塗布し(図8)、30秒放置し、塗布面を脱水乾燥させる(図9)。その後、アイコン・インフィルトラントを塗布後(図10)3分間放置し、40秒以上光照射する(図11)。現在の光照射器は、光強度が強いため、40秒連続照射ではなく10秒照射を4回に分け照射を行い、歯髄に対しての照射温度上昇を考慮した(図12)。まず、左右中切歯にコーティング処置を行い、コーティング効果を実感していただき(図13)、その後左右側切歯にも同様の処置を行った(図14)。術後の状態にて、白濁部の改善が確認され、その後、着色したコンポジットレジン部の研磨を行った(図15)。術後のポイントICONは除菌効果の高さと封鎖性が挙げられ、脱灰したエナメル質からのミネラルの溶出を防ぎ、脆弱化したエナメル構造を補強することで、2次齲蝕を防止することが期待できることが特徴として挙げられるが、この状態を継続するにはホームケアの徹底およびPMTCの必要性を患者さんに十分理解してもらい治療を終えた。患者さんは、歯牙を大きく削合することなく、審美障害を改善されたことに対して十分満足された。ICONは白濁や脱灰などの予防的治療法の一つとして活用できるのではないかと考える。図10手順5図11手順6図12手順7アイコンインフィルトラントを塗布し、3分間放置する。アイコンインフィルトラントを歯面に浸透させる。3分塗布後に、光照射を行う。図13手順8図14術後図152 CR研磨左右中切歯のコーティング後。白濁の改善が認められる。2~2のコーティング後の状態。再充填ではなく、研磨にて対応した。Dental Products News 235 17