ブックタイトルDental Products News234

概要

Dental Products News234

密度の高いクーレンR繊維素材の毛からなるブラシを持ち、そこに電動であるがゆえの流体力学効果が加わることで、歯肉を傷つけることなく歯頚部のプラークを効果的に除去できるということであろう。ブラシは、パワー、センシティブ、シングルの３種類がありパワーでも他社の製品と比べて柔らかいが、センシティブはさらに柔らかく歯肉へのあたりも非常にソフトである。さらに前者２つは、特徴的なしずく型のコンパクトなヘッドと角度付きのネックにより、従来の歯ブラシではフィラメントが到達しにくかった部位にもアクセスしやすい。これらの特徴をみると、インプラント患者には従来の電動歯ブラシよりも向いている商品と言えるであろう。しずく型のヘッドはその形状から、上部構造に高さがある場合には、口腔前庭の深い部位にアクセスするのはやや困難であるが、本製品にはシングルブラシも付属しているため、それを用いればインプラント周囲粘膜と上部構造（もしくはアバットメント）の境界も清掃しやすい。清掃時には、振動数と強さにより７段階のモードが音の変化とハンドル部の青色LEDの点灯により表示されるが、シンプルなデザインが優先して目印がないことから、選択しているモードがわかりにくい。特にインプラント患者は高齢層が多いことから、使用法を指導する際に、LEDの脇に目盛りのシール等を貼るなどの工夫をすることも一案かもしれない。また、電動歯ブラシを適切に使ったとしても、やはり歯間部の清掃には歯間ブラシやフロス等の補助清掃用具の使用が欠かせない。クラプロックス製品にはインプラント用も含め、様々な種類の歯間ブラシがそろっているが、歯科医師、歯科衛生士の指導のもと、それらを上手く組み合わせることによって十分な効果が発揮できると考えられる。図10図11図12歯間ブラシの色が記入できる患者用チャート。図13粘膜内から立ち上がる形態を備えたインプラント支台修復装置。図14周囲軟組織の性状によっては、センシティブブラシを推奨する。図15インプラント周囲粘膜の辺縁にシングルブラシを45度の角度に当てる。図16上部構造と周囲粘膜の境界はシングルブラシが使いやすい。図17歯間空隙の多寡に応じて選択した歯間ブラシを適応。図18極度の骨吸収を伴う下顎に適用したインプラント支台修復装置。上部構造の高径がある場合は手用、電動にかかわらず柔らかいシングルブラシが使いやすい。症例に応じて適切な歯間ブラシを選択し、正しい挿入方法を指導することが重要となる。Dental Products News 234 25