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概要

Dental Products News234

根尖病変の原因のひとつとしてガッタパーチャ自体が感染源になっていることも少なくない。まず補綴物を外して旧根管充填材のガッタパーチャを最初に除去するには2)か3)の方法が良い。GPXの特徴・らせん状の溝がついた構造で摩擦熱によりガッタパーチャを軟化させて根管から除去する。・刃部が無いため、根管壁を削ってしまう危険性がない。・折れにくいが、折れるときは刃部の付け根で折れてくれるので根管内から除去しやすい。GPXの使用法1根管の大きさに合った太めのサイズを選択する。2マイクロモーター回転数は4,000~5,000回転の範囲で使用する。3摩擦熱による効果で除去するため、注水とエアーはオフにする。4ファイルが先に進んだら、ハンドピースを「の」の字を描くようにして根管壁にへばりついているガッタパーチャを除去する。5根管壁や根尖付近のガッタパーチャは手用ファイルやエンドエキスカを使う。7根管入り口のガッタパーチャを除去しながらTKロングバーでエンド三角を除去して先に進める。図12GPXと手用ファイルの併用図13根尖近くは図14根管長測定ガッタパーチャが根管充填されている遠心根管の根管口からGPXで道筋を作りながら除去していく。そうしてエンド三角を除去し根管形成をしていく。根尖付近のガッタパーチャを除去するときは太めの手用H型ファイルを僅かに正回転させて食い込ませ引き抜く。またはマイクロエキスカで慎重に除去している。近心根管の破折ファイルを取り除き、遠心根管のガッタパーチャをすべて除去した。そしてK3XFで根管形成を仕上げる。図15根管消毒図16根管充填ヨードヨード亜鉛溶液でイオン導入法を数回行った。根管内にヨードヨード亜鉛溶液とペーパーポイントを入れてデンタル撮影すると、根管内に根充されたように薬液が気泡なくしっかり入っていることを確認できるのである。イオン導入法の遂行の確認。オブチュレーションガッターN Tをコンデンサーのパックマックで緊密に根管充填。根管壁に密着するように軟化垂直加圧根管充填をしている。図17術後(2ヶ月4ヶ月1年半)図18術後5年メインテナンス時図19術後5年トロフィーパンプラス3Dで撮影。良好な予後で経過しているようだ。まとめ再治療歯のガッタパーチャは経年的にエポキシ化して硬くなっていることがあり、根管入り口付近ではマイクロエキスカや手用ファイルは使いづらい。そこで回転摩擦で軟化させて除去するファイルであるGPXを活用する。根管にある全てのガッタパーチャをGPXで除去することはできないが、根管口から根尖方向に根充材を除去する道すじを作ってくれる。そして、ガッタパーチャを取り去りながら先に進めていくことができる。湾曲根管は歯根の曲がっている方向と逆の根管壁、いわゆるエンド三角を落とし根管形成しながら根充材を除去していく。そうするとマイクロスコープの光が届き、根尖が見やすくなる。根尖付近のガッタパーチャは太いH型ファイルを僅かに正回転させて食い込ませて引き抜く方法や、マイクロエキスカを使用して慎重に取り去る。Dental Products News 234 15