ブックタイトルDental Products News234

概要

Dental Products News234

ミリングマシンの精度はPMMAで歴然と判る。coeｘInterview天辰憲章ADSceramic株式会社代表取締役/歯科技工士/福岡県行橋市高い精度だから安心して医院に提供できる。たわむ材料で精度が出せるかでミリングマシンの性能がわかる自社ラボで材料の選択、スキャニング、デザイン、ミリングまですべてにおいて責任を持ちたいと思い、CAD/CAMの導入に至りました。2年前に1台目のミリングマシンを導入、2台目として今回『コエックス』を導入し、その利点を実感しています。ミリングマシンの精度はPMMAの切削で判ります。「たわむ材料でいかに精度が出せるか？」は、コエックススキャナーとミリングマシン『コエックス』の精度と相まって、総合的な機械性能が顕著に出るからです。先日作製したPMMAを用いた3～6番のロングスパンプロビジョナルでしたが、何の調整もせずにぴったり装着できる精度に驚いています。高い精度の補綴物だから安心して歯科医院に提供できると考えています。最終形をイメージしたうえで作業ができる補綴物設計にはexocad（エグゾキャド）を用います。これまで、経験が少ない歯科技工士の場合、最終補綴物の形態がイメージできずにワックスアップを行ってもなかなか上手くいかず、それは経験則によって身につくものでした。CAD/CAMの良さは、まずデザインソフトによって「最終補綴物形態が判る」ことでしょう。最終補綴物形態が判ったうえでの作業は、効率的で、失敗が少なく、それを繰り返していくうちに経験則が身につくという利点があり、若い歯科技工士の「教育」という点でも非常に有効だと考えています。歯科技工所もオーラルスキャナーを活用する時代に『コエックススキャナー』は、フルアーチ60秒の高速スキャンで、10μmの細部までスキャニングできる高いカメラ性能などの特長がありますが、これからは歯科技工所もオーラルスキャナー『トロフィー3DIプロα』を活用しても良いと考えています。『トロフィー3DIプロα』は遜色ない精度でスキャニングできるうえ、咬合器の装着のタイミングなどを気にせずにスキャニングができ、PCとUSB接続するだけなので設置スペースも不要です。また歯科医院との連携も同機種であれば、さらにスムーズにできることでしょう。歯科技工所の近い将来3Ｄプリンタの可能性将来的にワックスアップをなくしていきたいと考え、3Ｄプリンタ『ゼニスD』を導入しました。現在は模型の代わりやマウスピース作製などに活用していますが、将来的にはアンダーカットも関係なく作製できる3Ｄプリンタの特性を活かした義歯やクラスプなど一体作製の補綴物の時代が来るでしょう。3Ｄプリンタ『ゼニスD』CAD/CAMによって、歯科技工士の技術・経験はそれほど大きな差はなくなっていくかもしれません。しかし、材料の特性や症例によってどの材料がベストなのか？などの知識と歯科医院との連携がより求められる時代になっていくと考えています。今回導入したミリングマシン『コエックス』、スキャナー『コエックススキャナー』で高い精度の補綴物製作ができる。8 Dental Products News 234