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概要

Dental Products News233

CAD/CAM口腔内スキャナートロフィー3DIプロα口腔内スキャナー補綴物製作以外の利点とその導入価値佐藤孝弘医療法人olive dental house/新潟県新潟市開業当院は、フルデジタルに移行昨今、デジタルデンティストリーは広く一般化してきており、保険診療にCAD/CAMが適応されるなど、いよいよ身近なものとなってきている。CAD/CAMにより補綴物を製作するとしても、印象や模型などが従来のアナログ的な操作のままであれば(図1)、補綴物の調整にチェアタイムが多く必要となる場合が多い。現在の診療をシームレスにフルデジタルデンティストリーにするためには、口腔内スキャナーによるデジタル印象が必須となる。印象材による印象では撤去時にアンダーカットを乗り越えざるを得ないため、その時点で歪みが生じてしまう。また印象材の収縮、石膏の膨張、歯科技工士による咬合器装着や模型の分割、ワックスの収縮、埋没材の膨張、鋳造金属の収縮、ポーセレンの収縮といった多くの技工ステップで誤差が集積してくる(図2)。口腔内スキャナーとCAD/CAMによる補綴は、誤差ゼロではないにしても従来の複雑な多数の臨床ステップが回避され、術者のスキルに関わらずばらつきが少ない安定した補綴物の製作が可能である。近年では1/4顎の範囲の天然歯支台のブリッジであれば臨床的に許容範囲であるとする報告が多く、天然歯の補綴治療に関しては問題は少なくなったと感じる。またインプラント補綴では、単冠は十分な臨床精度が得られ3ユニットブリッジまでは許容できる臨床精度を有するとした報告が多い。広範囲の複数本インプラント補綴の際には、ベリフィケーションインデックスを口腔内で採得し、インデックス上でセメンテーションすることでその誤差を補償する方法が現在の解決策と考える。そのため筆者の場合、天然歯・インプラントすべての図1フルデジタルデンティストリーのために図2手作業による誤差の集積は避けられないせっかくのCAD/CAMデンティストリーも印象や模型が従来のアナログ操作のままであれば、そのメリットは活かされない。従来のアナログ的な印象や模型操作により、多くの誤差が含まれてしまう。この時点から精度を求めても限界がある。図3トロフィー3DIプロα図4全顎10分以内でスキャニングする当院で導入しているトロフィー3DIプロα。導入にあたっては機能の他、導入費用やランニングコストも大切な要件である。数回の模型練習でスキャナーの動かし方が会得できる。術者によらず安定した精度のスキャンが可能である。6 Dental Products News 233