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概要

Dental Products News233

MTAの臨床テクニックMTA製材の特性?MTAを知って使おう?その4.MTAアンジェラスHPの特徴と応用森川公博森川歯科クリニック/会津若松市開業1.はじめにそこで、ヨシダから発売された「MTAアンジェラスHP」は、これまでの「MTAアンるWMTAで、それまでに市販されていたMTAセメントよりもなじみが良く一体化もMTAは、歯内療法領域に新たな風をジェラスホワイト」に比べて格段に操作しやすく、造影剤として配合されている酸吹き込んだ。しかも、1993年に逆根管充1)填材として初めて使用されてから、わずか15年ほどの間に、覆髄材・穿孔部の填塞材として、さらには根管充填材までと、その応用範囲が極めて広い画期的な2)3)歯科材料と言えよう。この間に驚くほ性が向上した製品であるが、どこがどう違うのか、まだ周知されていないようである。筆者はこれまで、MTAフィラペックス、MTAアンジェラスなど一連のMTA製材について、MTAとはどういうものか、どのように臨床応用していけば良いかなどを化ビスマスの量が抑えられているため、歯を変色させる危険性も少ないものである。しかし、MTAセメント特有の扱い難さから、初めてM T Aを使ってみようとする人には、未だ操作性に難があるように感じられたことは容易に推察される。ど数多くの論文が発表されたが、特筆す解説4)? 7)してきた。そこで、「MTAアンジェラスHP」であるべきは、否定的論文が極めて少ないとい今回は「MTAアンジェラスHP」についが、このHPの意味は、High Plasticityうことである。ところで、国内におけるMTA情勢は、このて、その特徴と臨床応用まで話をしてみたい。「高い可塑性」を有しているということである。ところ各メーカーが競って輸入販売、あるいは開発を進め、学会でも毎回発表され2.MTAアンジェラス「MTAアンジェラスホワイトとHPの相違点従来のMTAの持つ操作性改善のため、「MTAアンジェラスHP」は粉・液共にている。しかしMTAの持つ優れた性質を一般臨床の現場ではまだ十分に活かされていないように思われる。また、「MTAを使ってみたものの、その操作性の悪さから、使用を止めてしまった」という話も聞こえてくるなど、操作性の悪さ、難しさについて指摘されている2)通り、これが普及の妨げになっていると思われる。従来のMTAセメントは、練和したときにボソボソとした感じがあり、これが操作性の悪さとなって、使いこなせるまで習熟を要することから、すぐには臨床応用が困2)難であった。さらに経時的に歯を変色させる欠点を有していたことも敬遠される原因となっていた。「M T Aアンジェラスホワイト」はいわゆ改良が加えられている。この相違点については表1に一括表示した8)。まず粉末であるが、MTAアンジェラスの粒子は39.07μmであるのに対して、HPは13.07μmと約1/3に細かくなっており、いわゆるボソボソ感が改善している。また粉末成分はケイ酸カルシウム・アルミン酸三カルシウム・酸化カルシウム・タン表1M TAアンジェラスHPとM TAアンジェラスホワイトの相違放射線粉末粒子径液造影性圧縮強度不透過性pH(初期)pH(3時間後)溶解度MTAアンジェラスHPケイ酸カルシウムアルミン酸三カルシウム酸化カルシウムタングステン酸カルシウム13.07μm専用精製水可塑剤タングステン酸カルシウム6.10mm/Al 44.2MPa10.213.10.005%MTAアンジェラスホワイトケイ酸カルシウムアルミン酸三カルシウム酸化カルシウム酸化ビスマス他39.07μm専用精製水酸化ビスマス7.17mm/Al44.2MPa10.212.50.1~1%図1Dental Products News 233 23