ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Dental Products News233

図2図3先端の鋭利な器具を使用すると、付着の強い靭帯や骨膜を切離しやすいため剥離しやすくなる。歯冠分割後、根尖側歯牙と頬側皮質骨との間に、ゼクリアバー1本分の削り込み(グルーブ)を加えておくとへーベルがかけやすくなる。抜糸ピンセット先端が鋭利で歯周靭帯や骨膜繊維の断裂に適している。縫合時には歯肉を傷つけないように無鈎ピンセットを使用し、臨床では使い分けている。ゼクリアバー切削部分が歯冠径とほぼ同じ長さなので、切削部の上部が歯冠のてっぺん部分と同じ高さになるよう意識して削り込む。図4図5グルーブを加えた部分に約45度の角度でヘーベルを掛け、適切な力、運動を加えると歯牙が脱臼してくる。根が湾曲していたり、骨に引っ掛かりなかなか脱臼してこない場合は、ここで歯根分割を加える。抜歯後、不良肉芽をしっかりと掻把したあと、縦切開部分は角化歯肉に段差ができないように縫合する。この時、歯肉が重ならないよう、縫合針を通す距離、深さが均一になるよう注意する。エレベーターチタンチップベアー歯科用糸付縫合針No.11(直)歯冠径下方1/2の部分にヘーベルをかけ、歯冠脱臼側45度上方に脱臼させる力を加えると良い。(曲)▼ナイロン糸付縫合針(1/2R 17mm)モノフィラメント逆三角針のNo.11が使いやすい。縫合針の選択主に丸針、角針がある。角針はさらに三角針と逆三角針がある。丸針は針先端以外は角が立っていないため、薄くて脆弱な組織を縫合する時に適している。三角針は針湾曲の内側に角があるので、歯肉のような比較的薄い組織では糸を締めた時に組織が引き裂かれやすい。比較的厚くて硬い組織を縫合する時に適し逆三角針は針湾曲の外側に角があるので、糸を締めた時に組織が引き裂かれにくい。歯肉組織には丸針か逆三角針が適している。針の湾曲や大きさは、口腔内の部位とスペースに応じて選択すると良い。湾曲に関しては、弱湾か強湾が口腔内では縫合しやすいと言われている。ている。総括すべての外科処置において、低侵襲だけを意識して「切開、骨削をしないこと」が必ずしも良いというわけではない。処置しづらい環境下での不用意な周囲組織の破壊や処置時間の延長によって、本来以上の侵襲になってしまう場合もある。口腔内やレントゲン所見をしっかりと観察し、処置部分の組織構造を三次元的にイメージするとともに治療計画をしっかりと立て、必要な場合は最小限の切開、骨削を併用し最小時間で手術を終了することが低侵襲な外科処置につながる。Dental Products News 233 19