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概要

Dental Products News232

図11 ファーストコードの挿入ファーストコードは一番細い直径のものを選択し、歯肉圧排糸をコードパッカーで歯肉溝に愛護的に挿入する。シェアーコードはループ状の編み目を持つことから、適度な伸展性を有する使用感の高い歯肉圧排糸である。デュラライトコードパッカーは、ストレート形状とラウンド形状がある。厚みが薄く操作性に富んでいる。図10圧排コードシュアーコードプラス図12 ファーストコード挿入後の咬合面観ファーストコード挿入後、歯肉が圧排されフィニッシングラインが明瞭になる。ノーデントデュラライト コードパッカー直径:0.65mm 0.75mm 0.90mm図13 セカンダリーコードの挿入生物学的幅径の個体差を考慮し、症例にあった直径の歯肉圧排糸を選択し、歯肉溝内に愛護的に2本目を挿入する。図14 セカンダリーコード挿入後の咬合面観セカンダリーコードの挿入後、歯肉がさらに圧排された高さにフィニッシングラインを設定すると良い。図15 シリコン印象材アフィニスマイクロシステムアフィニスは親水性と流動性を備えたシリコン印象材である。マイクロシステム専用ディスペンサーは従来品よりも小さく、操作性に富んでいる。図16 歯肉溝内まで再現された印象採得歯肉溝に確実に印象材が流れていることが確認できる。硬化後に弾性に富み歯肉溝内で千切れることがなく、正確な印象採得が可能である。図17 印象採得後の歯周組織歯肉圧排糸除去後の口腔内。フィニッシングライン周囲の歯周組織が健全な状態であることが見受けられる。図18 製作された作業用模型精密な支台歯形成と明確な印象採得は、歯科技工士との連携には欠かせない。要とされる形態は異なるため、求められる形態を熟知する必要がある。近年では支台歯形成に際しては回転切削器具のみならず、振動切削器具を併用することで、支台歯をより正確に高い精度で切削することが可能となった。著者らは、フィニッシングバーホルダーKセットを支台歯形成の仕上げに用いている。フィニッシングバーホルダーKセットはFGシャンクの専用ダイヤモンドバーをエアスケーラのルーティーに接続し、4,000 ~9,000Hzの微細な振動数で軸面の滑沢形成やフィニッシングラインの仕上げ形成に最適な切削器具である。回転切削器具に比べ切削効率は劣るが、フィニッシングライン周囲の歯肉にバーが接触しても出血が起こりにくく、削り過ぎないことがフィッシングラインの仕上げ形成には最適である。またヘッド部がシンプルでエアタービンと異なるシャンクの角度を持つことで視野に富み操作性が良い(図2)。バーが回転しないため左手の指をバーにレストすることが可能で、安定してバーを動かすことができるため、微細な仕上げ形成も正確に行うことが可能となる(図4~6)。歯肉縁下にフィニッシングラインを設定する際に注意しなければならないことは、結合組織性付着を侵襲しないことである。このためには周囲組織の生物学的幅径を熟知した上で、歯肉圧排を行うことや、フィニッシングラインの位置を設定し支台歯形成を行うことが、永続的な周囲組織の安定をもたらすことに繋がる。すなわち、上皮性付着平均0.97mm、歯肉溝平均0.69mmであるとするならば、歯肉圧排糸の挿入深度は平均1.66mm以内、フィニッシングラインの設定位置は平均0.69mm以内に設定すべきであることが解る(図7~9)。支台歯形成と印象採得が上手になるためのポイントは、支台歯の形態と歯周組織の構造を知ること、そして適切な道具を使いこなすことであろう。D e n t a l P r o d u c t s N e w s 232 3