ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Dental Products News232

図3 組織に優しい十分な注水を備えるフィニッシングバーホルダーKはエアスケーラにF Gシャンクの専用バーを、4 , 0 0 0~9 , 0 0 0 H zの微細な振動数で軸面の精密かつ滑沢な支台歯形成を可能とする。図2 ルーティー&フィニッシングバーホルダーKセットフィニッシングバーホルダーKとエアタービンのヘッド部の比較。角度とヘッドの大きさの違いがわかる。図1 理想的な形成量前歯のオールセラミッククラウンに必要なクリアランス量、三次元的に支台歯の形態をイメージできることが大切である。図4 回転切削器具による支台歯形成エアタービンとエンドカッティングバーを用い、フィニッシングラインの形成を終了させる。図5 振動切削器具による支台歯形成フィニッシングバーKを用いフィニッシングラインの仕上げ形成を行う。歯肉にバーが接触しても出血を生じることが極めて少ない。図6 振動切削器具の利点ヘッドが小さく回転しないことから、ダイヤモンドバーを直接把持しレストすることができる。このため正確な形成を行いやすい。Ingber JS, Rose LF, Coslet JG. The “biologic width”?a concept in periodontics and restorative dentistry. Alpha Omegan. 1977;70:62?5. より改変図7 歯周組織の生物学的幅径著者らは付着を侵襲することなく、歯肉溝内にフィニッシングラインを設定することが良いと考える。図8 圧排糸除去後の歯肉の位置図9 支台歯形成終了後の正面観2本の歯肉圧排糸を挿入後、フィニッシングラインの形成が終了した状態。歯肉圧排糸を挿入した位置にフィニッシングラインを設定した。2 本の歯肉圧排糸を挿入しフィニッシングラインを形成し、2 本のうちの1本を撤去した後、印象採得を行う技法である。歯肉圧排糸の撤去後歯肉縁の高さが戻ることで歯肉縁下の形成となる。結合組織性付着 平均1.07mm上皮性付着 平均0.97mm歯肉溝 平均0.69mm結合組織性付着上皮性付着歯肉溝フィニッシングライン圧排糸除去後の歯肉ライン6~8°のテーパー0.8mm以上ヘビーシャンファー1.2mm以上3面形成1mm以上 2mm以上適切な支台歯形成と、正確な印象採得は一般臨床を行う歯科医師にとって確実にマスターしなければならない臨床手技のひとつと言えよう。特に歯科医師になって日の浅い諸氏にとっては、支台歯形成と印象採得の技術の習得は、早急にマスターしなければならない優先順位の高い項目である。精度の高い補綴装置を製作するためには、次のことを順序よくコントロールする必要がある。 ? 炎症のない健全な歯肉 ? 適切な支台歯形成 ? 正確な印象採得この3つの臨床ステップのどれか1つでも臨床的エラーが生じれば、高い精度の補綴装置を製作することはできない。本稿では上記??の支台歯形成と印象採得について、その技術的ポイントと有用性の高い治療器具を紹介したい。支台歯形成に際して理想的な形態を三次元的にイメージすることは非常に重要である(図1)。補綴装置の種類やマテリアルによって必回転切削 タービンエアスケーラ ルーティー & フィニシングバーホルダーKセット支台歯形成と印象採得が上手くなるためのポイント小川 洋一 松本歯科大学臨床教授 安原 尚 東京ステーション歯科クリニック/東京都中央区ルーティー&フィニッシングバーホルダーKセット2 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 2 3 2