ブックタイトルDental Products News232

概要

Dental Products News232

図15口腔内での作業は必ず近心方向からのみのアプローチになる。しかし溝の方向によって遠心方向からアプローチできた方が賦形しやすい場合がある。「No.2 水」の両形状は近心方向からアプローチという限られた作業環境の中でも、遠心方向からアプローチできるようにデザインしている。図19図21「No.3 火」の片側は特殊な湾曲を施している。この湾曲も近心方向からのアプローチでありながら、遠心方向からアプローチができるようにデザインしている。図20ティントや隆線のトップや副隆線などHigh Value部にブリーチングシェードのフロアブルレジンを施す時、以前はリーマーを手で持って行っていたが、「No.５空」はリーマーをグリップ部ごと装着できる構造にしている。「No.５ 空」は何も装着しなければただの「柄」であるが、リーマーを装着することで初めて機能性を発揮する。しかし、リーマーだけの装着であれば両刀ではない。実はパンフレットには謳っていないが、反対側に着脱式の筆先を装着できる。bi-laminar technicの充填後。図22色々な角度から隣在歯との比較をし、形態のチェックを行う。図23研磨を終了し、数日後の術後。図16エナメル層に入れる主溝は重合させたデンティン層までしっかりと入れ込む。その時に中心窩の中央までインスツルメントの先端を入れられるよう、「No.2 水」と「No.4 風」の先端形状を尖らせている。図17「No.2 水」と「No.4 風」の先端形状は同じ形状にしているが、溝を開き主隆線を賦形する時に中心窩の細部までCRコントロールができるよう左官職人のコテをイメージし、幅がありながらも先端の尖った形状にデザインしている。図18「No.3 火」は溝や隆線の細部をよりコントロールしやすいようコンケーブの円錐型にしている。デントクラフト TSURUGIレジン充填器 No.3 火デントクラフト TSURUGIレジン充填器 No.5 空両先端形状装着例充填のベースに使用するNo.4 や今回私がもっとも作りたかったNo.2 の先端形状が、剣に似ていることが由来となっている。またこの２本のヘラのように幅がありながらも先端の尖った形状は、左官職人のコテをイメージし、前歯平滑面では広く平らに伸ばすことができ、臼歯咬合面では、溝の最深部など隅々まで先端が入るようデザインしている。そして全てが両刀であることから二刀流…二刀流と言えば、２０１８年現在では大谷翔平選手であるが、侍の二刀流と言えば宮本武蔵である。宮本武蔵の有名な著書に、二刀流の兵法指南書「五輪書」と言うものがあるが、「地・水・火・風・空」５本の巻物として書かれたものである。「TSURUGI 」も５本セットであるため「五輪書」にちなみ、No.1 からNo.5 までそれぞれの意味も合わせながら「地・水・火・風・空」の漢字のロゴを入れさせていただいた。今回は「TSURUGI」それぞれの特徴と使い方について、臨床症例を交え紹介したいと思う。D e n t a l P r o d u c t s N e w s 232 1