ブックタイトルDental Products News232

概要

Dental Products News232

図14 インプラント周囲のプラーク 図15 プロフェッショナルケア図13 上部構造体とインプラント図17 クイックジェットM 図18 メインテナンス後図16 ユリーの使用インプラントが多数埋入されていたが、多くがインプラント周囲炎を呈していた。初診時 図12 パノラマ所見他院でのインプラント治療を受け、その後当院へ転院。清掃困難な補綴物を認め、口腔衛生状態は非常に悪い。図11前歯部のインプラントはスレッドが露出しており、その形状と粗面から強いプラークリテンションファクターを認めた。まずは、口腔衛生状態の改善のため、セルフケアの指導とプロフェッショナルケアを行った。上部構造を撤去するとインプラント周囲には多量のプラーク付着を認めた。セルフケアは困難であったと思われる。脱落したインプラント体と上部構造。多量のプラーク付着を認めた。年齢的にもセルフケアの改善には限界があり、今後もプロフェッショナルケアは非常に重要となる。クイックジェットMを用いることで、さらにスレッド細部のプラーク除去も可能である。先端は根尖側に向けずに、インプラント体に対し直角に向けることで、気腫発生を予防する。ユリ―は毛先が細く先端も小さいので、アクセスに優れ、プラークの除去には非常に有効である。矯正治療などにも積極的に取り組んでいます。そして何より、当院ではそのような地域の方々の口腔の健康のために、継続的にメインテナンスを行うことを大切にしています。以前より、メインテナンスを行う際にパウダーを用いる場合には、クイックジェットMと着色除去能力の高い重曹パウダー（Qパウダーオレンジ／Qパウダーレモン）を使用していました。しかし、塩辛い味や粒子の硬さから、使用できる症例が限定されていました。そこで、今回新たにグリシン酸パウダー（QパウダーGファイン／QパウダーGエクストラファイン）を導入し使用してみたところ、甘味があり歯肉への痛みもなく、患者さんからは非常に良い評判を得ることができました。また、重曹パウダーは除去能力が高いために歯面や補綴物の表面を傷つける心配がありましたが、グリシン酸パウダーではそういった心配もなく、歯頸部付近のバイオフィルム除去、インプラントや矯正装置周辺の歯面清掃などにも非常に有効です。これまで以上に、小児から高齢者まで幅広く使用が可能なことから、適応症例が飛躍的に拡大しました。現在当院のプロフェッショナルケアでは、研磨ペーストと回転ブラシによるPMTCに加え、縁上の強固なステインには重曹パウダー（Qパウダーオレンジ／Qパウダーレモン）を使用し、それ以外では主にグリシン酸パウダー（ QパウダーGファイン／ QパウダーGエクストラファイン）を使用しています。今回使用したクイックジェットMとグリシン酸パウダーを用いたパウダーメインテナンスは、①非接触で付着物の除去を広範囲に行　える。②その結果、チップの届かない場所や目　視しにくい場所も効果的にバイオフィル　ムを除去することができる。③柔らかなパウダーのため組織を傷つけ　にくい優しいトリートメントである。という点で術者にとっても、患者さんにとっても、快適なプロフェッショナルケアであると言えます。症例3／インプラントメインテナンス　85歳 男性D e n t a l P r o d u c t s N e w s 232 21