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概要

Dental Products News232

ご存知のようにグラスアイオノマーの特徴は、歯髄為害性が少なく生体親和性が高い、歯質接着性を持つ、フッ素徐放性とリチャージ、歯質に近い熱膨張係数を持つ、辺縁封鎖性も高いなどが挙げられる。昨今、フロアブルタイプのコンポジットレジンの進化に伴い、ともすると軽視されがちなグラスアイオノマーではあるが、コンポジットレジンとのハイブリッドであるアイオノジットの特徴をふまえた活用法についてご紹介したい。1.グラスアイオノマーとコンポジットレジンのハイブリッドであるため、従来のグラスアイオノマーセメントに比べ強度が期待できる2.練和する必要がなく、直接窩洞に充填でき、光照射により重合し硬化するため、操作性がよく時間の短縮が図れる3.硬化後膨張することによりレジン材料の重合収縮を補う以上、アイオノジットならではの利点は、日々の臨床に取り入れやすい特徴と言える。? 応急処置の対応として? 間接覆髄? 小児の修復材料? コンタクトカリエスの充填? 根管治療時の仮封材として当院におけるアイオノジットの活用大久保 恵子 おおくぼ歯科クリニック/京都府京都市開業図8アイオノジットベースライナーを前処理なしで間接覆髄と治療中の仮封を兼ねて充填。図1 アイオノジットグラスアイオノマーとコンポジットレジンとのハイブリッドのため、アイオノジットベースライナーは操作性が良い。図2インレーの脱離が主訴で来院。自発痛・冷水痛はない。浸潤麻酔下でう蝕検知液を使用しながら軟化象牙質を除去。歯髄の近くはエキスカベーターを使用し慎重に除去する。軟化象牙質の除去を確認。露髄はしなかった。図5 図6 図7セメントを除去すると多量の軟化象牙質を認めた。図3 図4アイオノジットの特徴当院での活用法裏層材 アイオノジット ベースライナーの活用症例1:インレー脱離時の応急処置としての対応参考文献Mathur VP1, Dhillon JK2, Logani A1, Kalra G:Evaluation of indirect pulp capping using three different materials: A randomized control trial using cone-beam computedtomography Indian J Dent Res. 2016 Nov-Dec;27(6):623-6291 ):歯髄付近まで充填が確認できる。その後疼痛の発現等はなく、良好に経過している。歯周基本治療後インレー修復を予定。図9 図10アイオノジットベースライナーにて応急的に充?処置をした後、歯周基本治療に入る。歯髄近くまで透過像が確認できる。8 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 2 3 2