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概要

Dental Products News231

D e n t a l P r o d u c t s N e w s 230 1通訳:成田真季先生(歯科医師/米国開業)ダグラス A.ヤング先生現在では全米の歯科大学に広がりました。さらにはヨーロッパにも広がり、2015年には日本にもヨシダを通してCAMBRARを広める基盤ができたのです。Douglas A.Young, DDS, MS, MBAなぜ、今う蝕予防なのか?う蝕が減少傾向にある日本にCAMBRAR は必要か?CAMBRAR 導入のメリットのひとつは歯科衛生士がベテラン、新人を問わず患者さんをサポートできること。パシフィック大学 教授臨床・教育の両方の立場からCAMBRAR普及に貢献した第一人者。座談会CAMBRAR[キャンブラ]CAMBRARDoctorsSymposiumフォームに則りバランスを考慮してカリエスリスクを把握する。ヤング:長い間提唱されてきたう蝕のマネジメントに疑問を持ち、誰が行っても同じように、しかも簡便にできるシステムはないかと試行錯誤してきました。EBMに基づいたう蝕マネジメントをするためには全米大学での協力・教育が必要であると考え、フェザーストーン先生、クーチ先生らと共に、2003年西海岸からスタートし、現在では全米の歯科大学に広がりました。さらにはヨーロッパにも広がり、2015年には日本にもヨシダを通してCAMBRARを広める基盤ができたのです。小窪:CAMBRARを導入したと言うと、周囲から「なぜ今更、むし歯予防なのか?」という反応が大半のように思います。確かに、日本全体でう蝕は減少傾向にあるものの、実際に日々臨床にあたっていると「0」にはなっていないことを実感します。また8020運動の成果として、多くの高齢者に天然歯が残るようになりました。訪問診療を行うと、数ヶ月前までは何の問題もなかった方が、突然う蝕が多発しているようなケースもあり、高齢者のう蝕予防の難しさを実感します。歯科医師として、最期までご自身の口で生活できるようサポートしたいと考えています。日本においては、う蝕予防はすでに小児だけではなく、高齢者も対象であること、「確実に」予防できる方法があるのであれば医院で積極的に取り入れる価値があると考えています。椙岡:小窪先生がおっしゃるように日本ではう蝕は減少傾向にありますから、今後欠損歯が少なくなっていくでしょう。欠損歯が少ないがゆえに、天然歯が残り、う蝕リスクが高くなることを意味していると思います。学校検診や集団歯科検診のない高校生以上の方や、治療ばかりで予防をしていない方に対して、いかに一人ひとりに「かかりつけ歯科医」としてアプローチできるかが重要です。そのためにCAMBRARを重要視しています。また、当院ではいかにスタッフの経験の差を埋めるかという課題がありました。これまで予防歯科を実践すべくスタッフ教育にも力を入れてきましたが、スタッフの経験によって、話す内容や技術に差が出てしまい新人歯科衛生士が一人前になるためには数年がかかっていました。EBMが確立されたシステマチックなシステムのCAMBRARを導入したことで、ベテラン、新人を問わず同じように話ができ、患者さんに多くの利益をもたらすことができるようになったと考えています。