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概要

Dental Products News231

20 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 2 3 1C B C Tの有効性はもはや枚挙に暇がなく、外科手術やインプラント埋入術における術前のCT画像診断は、その手術の安全性を確立するために必須の検査項目として確立している。近年、歯内療法領域におけるCBCTの有効性が数多く示されており、実際の臨床においても、従来のエックス線撮影法によって原因が特定できない症例や、再治療などの予後不良症例等において、CBCT画像がそうした難症例の解決に大いに役立った経験を多数している。しかし、C B C Tを撮影しさえすれば、簡単に原因を特定できる訳ではなく、私たち術者が撮影装置や画像処理ソフトを十分に使いこなし、関心領域の各種断面像を生成?初診時CBCT Volume rendering画像。あくまでも参考情報であるが、デンタルエックス線写真では伝えられない視覚的情報を患者に伝えることができる。? 仮封を除去し、C B C T 画像から計測した歯髄腔の位置に向けて探索を行ったところ、ファイルはすぐに歯髄腔に到達した。?多量の排膿が認められた。?通法通り根管拡大を実施。?根管拡大終了時。?根管充填時のデンタルエックス線写真。? 全ての症状は消失し、患者が気にしていたサイナストラクトも消失した。?初診時CBCT Cross section画像。歯頚部付近の根管は狭窄しているが、歯根中央部から根尖部には歯髄腔の存在が認められる。?初診時CBCT Axial画像。歯根中央に確かに歯髄腔が認められる。図5 A 症例1: 35歳女性?頬側歯肉にサイナストラクトが認められた。?穿通した途端、多量の排膿が認められた。通法で根管拡大形成を実施。?1週間後。穿通して根管拡大を実施したにも拘わらず、サイナストラクトは消失していなかった。原因を探索するため、CBCTの撮影に同意いただいた。?CBCT Cross section画像。近心頬側根の歯髄腔が歯根中央部からY字状に分岐していることが分かった。?再根管治療を実施。?2週間後。分岐した口蓋側根管を拡大したところ、サイナストラクトは消失した。?根管充填時のデンタルエックス線写真。根尖部に明確な骨再生が認められる。?CBCT画像から計測し、口蓋側への分岐部の入口を発見した。? ハンドファイルで穿通したところ、改めて多量の排膿が認められた。その後は通法で根管拡大を実施。図7 C 症例3: 47歳男 性