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概要

Dental Products News230

た確実で効率良い充填操作が可能となった。一方で、フロアブルタイプCRへの強度や耐摩耗性への不安から、適用部位を制限する術者が多いことも事実である。今回使用した「カルセット」は、従来型の使い慣れたペーストタイプCRの充填時操作性(流動性)をヒーティングにより向上させ、フロアブルタイプCRのような自由度の高い充填術式に応用することを可能とする。色調や硬化後の物性など基本的性能が担保された状況で、流動性の低いペーストタイプCRの充填時操作性を向上させることは、コンポジットレジン修復の精度向上の観点からも大変有意義であると考える。さらにヒーティングによって重合反応性が向上したコンポジットレジンは、従来の光重合のみで硬化したコンポジットレジンに比べて物性や最終重合率の向上が期待できるであろう。ただし、窩洞内における重合収縮応力の影響を考慮すれば、安易に大量のコンポジットレジンをその流動性に従って一括充填することは大変危険であると考える。また、ヒーティングによるコンポジットレジン流動性の変更は原則一回のみ可能であると考える。加熱と冷却を繰り返すことはコンポジットレジンの重合反応機序に変調をきたすことが予測され、一回使い切りのコンピュールタイプCRでの使用が望ましい。図27術前 正面観。図28術後 正面観。図25術後 前歯部正面観。図26 術後 隣接面接触点の適正回復が完了。図22狭小部への充填。ヒーティングしたコンピュールタイプCRを使用(Tetric N-Ceram A2) 。図233D透明マトリックス内へのコンポジットレジンのスムーズな注入が可能。図24充填操作の完了。図19無切削エナメル質へのリン酸エッチング処理。図20水洗、乾燥。図21接着材の塗布。その後、光照射。図16 図17術前。前歯部歯間離開による審美障害が主訴。64歳、女性。離開距離は約1.5mm。コンポジットレジンによる離開部封鎖の適応症。図18ラバーダム防湿。マトリックス挿入スペース確保のため、シュアーコード( # 000 )を挿入。CASE2 前歯離開部の狭小空間への充填:前歯部の歯間離開症例。咬合状態によっては破折のリスクが高い側切歯の切縁隅角部分に、硬化後の十分な強度と色調適合性が担保されたペーストタイプCRを、ヒーティングにより流動性変更して使用。歯質と3Dタイプ クリアマトリックスとの間の狭小部分へのスムーズな充填操作が可能。D e n t a l P r o d u c t s N e w s 230 21