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概要

Dental Products News230

義歯治療について開業医・病院歯科医・訪問歯科医義歯専門医の立場から数回にわたりお話をいただきます。第1回目は「コピーデンチャー」※複製義歯(広義)篠栗病院歯科医長/福岡県糟屋郡鈴木 宏樹先生コピーデンチャーで過不足ない正しい情報を歯科技工士に伝達することが可能になります。義歯座談会1 もっとコピーデンチャーを活用しよう病院歯科医前畑 私は、新義歯製作にあたり、歯科技工所に資料のひとつとしてコピーデンチャーを製作して渡しています。コピーデンチャーは、アルギン酸で型を取り、レジンを注入するだけで簡便に複製義歯が製作できる点が気に入っています。その他、コピーデンチャーを用いた咬座印象用の各個トレーとして活用しています。松丸 「治療用義歯を作る」「複製義歯を作り調整していく」というのは、私の仕事の2本柱になりますから、積極的にコピーデンチャーを使っています。コピーデンチャーのフラスコは金属製のため歪みがなく清潔感があります。私はフラスコで型どりをした後、白色レジンを歯冠部に流し、そのまま外さずにピンクレジンで義歯床を作ります。その後歯間乳頭部付近をカットバックし、即時重合のピンクレジンにて形態修正するという方法で複製していきます。この複製義歯を用いて調整を行いながら、形態・咬合を確認していきますので、複製義歯の役割は大きいですね。また、前畑先生がおっしゃるように、各個トレーとして複製義歯を活用することもよくあります。鈴木 私は旧義歯にティッシュコンディショナーで不足しているデンチャースペースの情報を付与し、それを歯科技工士に伝えるために、複製義歯を製作することが多いですね。例えば、ご高齢で下唇に過緊張があるような方は印象採得が難しいので、先にティッシュコンディショニングを行った後に、複製義歯を製作し、印象採得の代わりとしています。コピーデンチャーは、フラスコに溝が付与されていて余剰のレジンが流れるようになっているため適合が良く、正しい情報を歯科技工士に伝達することが可能です。