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概要

Dental Products News230

根管拡大で重要な根尖孔付近の構造を考えた場合、セメント質ー象牙質境(CDJ)とセメント質が根尖孔内に入り込んでできる根尖最狭窄部(AC:Apical Contriction)の認識が重要である。もちろん、CDJがACと一致する場合もあるので、アピカルシート形成には細心の注意が必要である。●根管長測定を考える時に必要な根尖部の解剖。  特にCDジャンクション(CDJ)、根尖最狭窄部(AC)、 解剖学的根尖(AA)が重要である。●生理学的根尖はCDジャンクション(CDJ)から 根尖最狭窄部(AC)間に存在すると考えられ、 作業長先端はこの部分に設定する。歯内治療で治療中や術後に痛みを起こさないために、根尖孔外歯周組織にリーマーやファイルでの突出による機械的刺激を与えないようにすることは重要である。ただ、どうしても電気的根管長測定器では十分な電流の流れが必要であり、更にはCDJ手前の根管内と外部の歯周組織の電気抵抗値の違いを見出す必要がある。そのため、図Bに示したように、75度の角度を持つリーマー等の先端がCDJを僅かに越えて歯周組織に触れている必要がある。図AやCのように、根尖狭窄部との直径とリーマーの太さに大きな差があると、電気的根管長測定器の指示値は頻繁に上下する。この上下の変化は、リーマー等の周囲を流れる電流量が一定になっていないために生じる。そこで、図Bのように根尖狭窄部の直径にあった太さのリーマーを用いれば、電流量が一定になり、正確な計算に基づいた指示値を表示することができる。このような変化を我々は、比抵抗と呼んでいる。臨床でこのような状態に出会ったら、すぐに次の号数のリーマーで測定する。次の号数でも同様な変化が生じたら、恐れずに次の号数にする。このようにしてリーマーの太さを太くしていけば、正確な根尖指示値表示が得られる。図9 根尖狭窄部の直径とリーマー・ファイルの太さの関係図8 電気的根管長測定器での根尖部指示図7 根尖孔部付近の構造●根尖部の解剖●生理学的解剖電気的根管長測定器で根尖狭窄部の位置を示した時のリーマー先端の位置は?根管A B Cレントゲン的根尖解剖学的根尖AA(解剖学的根尖)根尖口CDJ※CDJ:セメント象牙質境※CDJ:根管狭窄部CDJ CDJ根尖最狭窄部A B CCDJ CDJ CDJ象牙質セメント質CDジャンクションCDJAC●根尖孔の太さとリーマーやファイルの太さがAとCのように合わないと電気的根管長測定器の指示値はふらつく →すぐ、次の号数に上げて測定する。10 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 2 3 0