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概要

Dental Products News230

根尖孔外0.15mmを大切にしていますか?ージャスティ3.5の機能を生かすためにー庄司 茂 東北大学大学院歯学研究科歯内歯周治療学分野/非常勤講師電気的根管長測定器ジャスティ3.5を考察する図1 適切な髄腔開拡と根管拡大・形成図2 ジャスティⅢとジャスティ3.5の比較図3 歯内治療の入り口である髄腔開拡は、歯質の保護だけでなく、適切な根管口や根尖孔へのアプローチのために極めて重要な治療である。この時、間違えた方向に拡大を行うと穿孔が生じる。次に注意すべき点は、根管口の明示と拡大である。大臼歯部であればエンド三角の除去により、根管口が明示され治療が極めて容易になる。根管中央部の拡大は、TFアダプティブファイルを用いれば、根尖手前3mm位までは安全・確実かつ負担なく治療できる。根尖孔部の拡大は手用リーマーやファイルを用いて、精神を一番集中して根尖孔部を破壊することなくアピカルシートを形成することが重要である。根尖部での拡大・形成で大きな役割を果たすのが、電気的根管長測定器である。我々はこれまでジャスティⅢを用いてきたが、今回、ジャスティⅢの機能はそのままに小型化、消費電力を削減したジャスティ3.5が発売された。さらに、根尖孔部および孔外でのリーマーやファイルの位置を0.15mm単位で解りやすいように表示した。また、ジャスティ3.5は、外側の透明ケースのどこを押しても容易にスイッチのON/OFFが可能になった。抜髄と感染根管治療は同じと考えて、治療をなさっている先生がおられる。単に根尖狭窄部まで根管拡大すれば良いというのが理由である。しかし、根管拡大で除去すべき対象が、抜髄であれば象牙前質に限られているのに対して、感染根管で対象になる罹患象牙質がある部位は、象牙前質のように根部象牙質表面にあるとは限らず、その広がりをX線写真で推測することは難しい。この点だけでも踏まえて治療すれば、痛みの少ない治療が可能になる。根管拡大・形成前に考えるべき事●根尖が穿通しない場合は、MMC Kファイルとキレート剤での穿通を試みる。根管口3mm精神集中度中低高エンド三角除去●根管口の明示●髄腔開拡●根管拡大●手用リーマーによる根管形成・アピカルシート形成(重要)◎K3 : オリフィスオープナー(エンド三角の除去による根尖への直達)◎ジャスティ3.5による適切な根管長測定◎ターン&プル ◎ウォッチ・ワインディング※最終仕上げ:Hファイルとキレート剤(EDTA-Na)による円周ファイリング■■象牙前質の除去細菌増殖の温床になる可能性あり◎Ni-Ti : TFアダプティブファイルによる回転切削●歯髄炎:抜髄●根尖性歯周炎:感染根管治療▲▲▲▲145mm90mm▲▲▲▲90mm 73mm■■罹患象牙質の除去抜髄とは異なり、法則性はないので、ホワイトデンティンが出るまで、罹患象牙質の広がりに注意して根管拡大を行う8 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 2 3 0