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概要

Dental Products News229

綿状パッド ヘムコンデンタルドレッシングRの活用外科処置時の異常出血に備える歯科臨床においてさまざまな外科処置が行われている。抜歯や歯周外科処置、インプラント治療などは一般的な外科処置といえる時代であろう。いかなる外科処置といえど局所の組織が一時的に破壊されるが、最終的には組織の再生や修復が行われ、そこには血液供給が必要となる。しかし、過度な出血は術者の視野を阻害するため、外科処置を煩雑にし、精密な治療の妨げになる。さらに、組織の治癒を遅らせたり、後出血などの外科処置後のトラブルの元となる。上述のことを回避し、出血のコントロールを駆使して外科処置を完遂できれば、治療の予後も良好となる可能性は高くなるであろう。そこで、術中に過度の出血が認められた場合には、生体中の凝固線溶系因子を介さずに止血効果を発揮し、より自然な凝血塊の形成を促進させるヘムコンデンタルドレッシングRを術野に覆うことで、良好な治療結果を得ることができる。日常の臨床において外科処置時の異常出血は術者にとって精神的に大きなストレスとなりうる。術前に予見できる場合もあるが、往々にして予想外の異常出血となることがある。それ故、ヘムコンデンタルドレッシングRを常時準備しておくことは我々臨床家にとって大きな精神的な支えとなりえるし、術中、術後のさらなるトラブル防止にもなるであろう。図1ヘムコンデンタルドレッシングR。軟組織移植術時、抜歯窩などによってサイズを選択する。左下第三大臼歯が水平に埋伏しており、歯根が僅かに開大している。歯冠と下歯槽管までの距離は5mm以上存在する。開窓前の状態。歯冠は歯肉に完全に覆われている。図2 図325mm×70mm10mm×12mm図4歯根が開大しているため歯根分割をしたが、抜歯窩遠心壁から拍動性の出血を確認した。抜歯窩にヘムコンデンタルドレッシングを充填し、止血ワッテにて圧迫した。図5 図6図7抜歯窩に吸収性コラーゲンを充填した後に縫合した。止血環境の下での縫合は非常に容易である。第二大臼歯遠心部と第一大臼歯近心隅角部に切開ラインを設定し歯肉を翻転し、歯冠を分割した。2分間の圧迫後、完全止血を確認できた。図8金成 雅彦 クリスタル歯科/山口県防府市開業39才/女性:左下智歯部の自発痛を主訴に来院。カウンセリングの結果、抜歯を希望した。浸潤麻酔と伝達麻酔の後に、左下第二大臼歯近心隅角部に縦切開、遠心に切開をいれ、歯肉を翻転し歯冠を分割して抜歯した。歯根の抜歯直後より拍動性の出血を抜歯窩遠心壁から確認した。抜歯窩にヘムコンデンタルドレッシングRを覆い、止血ワッテにより2分間圧迫した。抜歯窩からの止血は完了し、吸収性のコラーゲンを充填して縫合した。ヘムコンデンタルドレッシングRを使用することにより、術中の異常出血に対する早急な対応が可能となる。症例120 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 229